友風が九州場所の悪夢を払拭する4勝目 観戦に訪れた母・奈美さんが号泣の訳は
◆大相撲九州場所5日目(14日、福岡国際センター) 西十両5枚目・友風(中村)が東7枚目・英乃海(木瀬)をはたき込んで序盤を4勝1敗で乗り切った。立ち合いから圧力をかけた貯金が最後に生きた。激しい攻防の末、右手で英乃海の首根っこを押さえ右に回り込みながらはたいた。 「攻防のある相撲でした。白熱しました。歓声も聞こえて励みになりました。応援タオルも目に入りました。うれしいですね。ルーティンは何も変えていないです。やるべき事をやっていつものように土俵に上がる。好調の要因を挙げるならそこかな。おごらず気を抜かず頑張ります」。 観戦に訪れた母・奈美さんとは2日目の取組後に会ったが、いきなり泣かれてしまったという。2019年の九州場所2日目。右膝に大けがを負った友風を乗せた救急車を奈美さんは涙で見送った。初日に負けた時になぜか胸騒ぎがしたという。序ノ口デビューから初めての初日黒星。「これは何か起こる」。予感は当たってしまった。 今場所も初日にこれまで5連勝していた東白龍(東富士)に初めて負けた。悪夢再びの胸騒ぎが止まらなかった。祈るような気持ちで見守った2日目。しかも、その日は友風が大けがした同じ11月11日。完璧な相撲で志摩ノ海(木瀬)に勝って膝から崩れそうになった。涙の訳は悪夢の九州場所を払拭した瞬間にあった。「実はボクも(初日に負けて)嫌な予感がしたんです。いい相撲で勝つことが出来てホッとしました。親子って本当に気持ちが通じるんですね」と話した。
報知新聞社