上田慎一郎監督、最新作「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」に“出演”していた!「僕、出てるんですよ。セリフありで」
上田慎一郎監督が11月27日、東京・アップリンク吉祥寺で行われた「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」のスペシャルトークイベントに出席し、自主製作の時代劇「侍タイムスリッパー」で脚光を浴びる安田淳一監督との対談が実現した。イベントの最後には、自身が「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」に“出演”していることも告白。「僕、出てるんですよ。これ初めて言ったかもしれない。セリフありで。良かったら、次見るときに探してみてください」とアピールしていた。 現在、公開中の「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」は上田監督が、興行収入30億円以上を突破した「カメラを止めるな!」(2018年に単独劇場公開)以前から温めてきた渾身の企画だ。一方、「侍タイムスリッパー」は、8月に東京・池袋のシネマ・ロサ1館で公開されると、SNSなどで口コミが広がり、公開館数が230館以上に拡大する“侍タイ”ブームを巻き起こし、「『カメラを止めるな!』の再来」とも評されている。 上田監督は、封切の2日後には「侍タイムスリッパー」を鑑賞していたといい、「映画館で映画を見る喜びを改めて体感した」と興奮を振り返る。「負けていらないという思いが湧いて、3カ月後に公開される『アングリースクワッド』の宣伝熱にブーストがかかった。横ですごい速度で走っている“侍タイ”と並走できたことが本当に良かった」と感謝を伝えた。 また、『侍タイムスリッパー』については「王道のエンターテインメントで成功している」と激賞。自身の作品は「奇をてらった部分が目立つかなと思う」とし、「実は僕も、『アングリースクワッド』は、あえてジャンルからはみ出ず、王道のエンタメを作ろうと思っていた。そこは『侍タイムスリッパー』にも通じているのかなと思う」と自己分析していた。 単館公開から社会現象を巻き起こした“先輩”に対し、安田監督は「ドアを開いてくれたのが上田監督。ずっと追いかけていきたい存在だし、(宣伝活動などを)やればやるほど、偉大さがわかる」と、リスペクト全開だ。さらに「上田監督の作品は、“アンスク”と略せるセンスも含めて、タイトルもかっこいい」と羨望の眼差しを向け、これまでの監督作品「拳銃と目玉焼」「ごはん」について、「タイトルがダサいし、『ごはん』は検索にも引っかからない(笑)」と自虐的に語った。 すると、上田監督は「もともとは、納税を定めた憲法30条にちなんで『サーティースクワッド』というタイトルだった」と告白。「ある時点から怒りをテーマにしようと決めて、このタイトルになりました。『公務員と7人の詐欺師』というサブタイトルは、映画が完成した後でつけたんです」とも明かし、ファンを驚かせていた。 ●「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」作品概要 2016年の韓国ドラマ「元カレは天才詐欺師 38師機動隊」を原作に、上田監督がオリジナル要素を加えたクライムエンタテインメント。主人公の税務署職員・熊沢(内野聖陽)と天才詐欺師の氷室(岡田将生)が、権力者が脱税した10億円を徴収するため、元女優、偽造のプロ、当たり屋といったクセ者ぞろいのメンバーによる詐欺師集団「アングリースクワッド」を結成し、壮大なミッションに挑む。 ●「侍タイムスリッパー」作品概要 現代の時代劇撮影所にタイムスリップした幕末の侍が時代劇の斬られ役として奮闘する姿を描いた時代劇コメディ。幕末の京都。会津藩士の高坂新左衛門(山口馬木也)は家老から長州藩士を討つよう密命を受けるが、標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう。目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だったーー。安田監督は、2024年度「新藤兼人賞」の銀賞に輝いている。