北朝鮮の金正恩総書記、異例の建国記念日演説…韓国側「民心の動揺を収める」狙い
【09月11日 KOREA WAVE】北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が建国記念日(9月9日)に合わせて演説したことについて、韓国統一省は10日、北朝鮮における豪雨被害による民心の動揺を収め、年末までの成果を強調する狙いがあると分析した。 同省関係者は同日、記者団に対し、キム総書記の今回の演説について「形式自体が異例だ」と述べ、「通常、『9月9日節』はキム総書記が演説する場ではない」と指摘した。また、キム総書記が9月9日に演説したのは今回が初めてという。 この関係者は、豪雨被害に関連して「キム総書記が豪雨復旧を評価し、期限内に質的に完了して正常化するよう命じた。これは災害を克服しようとする指導者像を強調する意図がある」と説明した。 またキム総書記は、地方発展政策に対する懐疑的な見方を認めつつも「それが可能であると強調していた」「(経済発展に対する)疑念を払拭し、期待感を植え付けようと努めた」と分析している。 北朝鮮が肯定的に評価した農業の収穫状況については「現時点では把握や評価が難しい」としたうえ「時間をかけて見守る必要がある」と述べた。 キム総書記は過去2年間、9月に開かれる最高人民会議を機に演説をしていた。しかし今年は、最高人民会議が開催されていないため、代わりに建国記念日に合わせて演説をしたとみられる。 最高人民会議が延期されている理由としては、1月に開かれた会議で提示された憲法改正の課題が原因であると推測されている。 当時、キム総書記は「新しい国境線の確定」と「統一の抹消」など、南北の「二つの国家」の状況を憲法に反映するよう命じていた。これに関する内部決定が進んでいないため、最高人民会議も延期されている可能性がある。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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