【中日新聞杯回顧】ヤマニンサルバムが重賞初V 落ち着かない流れで見せた三浦皇成騎手の好プレーが光る
2、3着は適性の差
上記の通り、先行争いが結果的に厳しい流れを呼び込んだため、2着以下は差し馬が台頭した。 2着ハヤヤッコは4コーナー12番手から大外をジリジリと伸びた。昨年は見せ場たっぷりの5着、その後も中京はGⅡで勝ち馬と0.5差、夏の函館記念が0.4差、オールカマーも0.9差と7歳でも崩れず走ってきた。ハンデ戦の斤量がずっと58.5kgで据え置きにされていたのも、この辺をハンデキャッパーが評価していたからだろう。昨年のような瞬発力勝負では見劣るが、最後に時計を要する流れになれば、最後までしっかり伸びる。キングカメハメハ産駒らしく、1度使って状態も上向いた。こちらも戦歴をみると中京巧者といえる。 3着ピンハイは中団から先に動いて勝ちに行った分、最後に少し甘くなった。結果的にはハヤヤッコにマークされ、仕掛けのタイミングを計られた印象もある。ベストは瞬発力勝負になりやすい、外回り1800mだろう。体も小さく、軽い競馬が合うので中京は最適とはいえず、それでも3着確保は力の証だろう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳