農作物かじられて困る、でも捕獲はできない…国の特別天然記念物だから アマミノクロウサギ増え被害拡大、県は柵設置呼びかけ
鹿児島県は27日の県議会一般質問で、国の特別天然記念物・アマミノクロウサギによる農作物被害が急増し、2023年度は約1000万円だったと説明した。個体数の増加に伴い被害は拡大傾向にあり、県は柵の設置など補助事業の活用を呼びかけている。 根絶したマングースよりはるかに脅威…奄美大島の希少種を襲うノネコ 専門家は訴える「外来種問題にもっと関心を」
農村振興課によると、把握を始めた17年度が76万6000円だったのに対し、直近は21年度521万7000円、22年度742万5000円、23年度982万7000円に上った。タンカンの樹皮やサトウキビをかじられる被害が大半で、スモモやサツマイモでも確認されている。 22年3月に県などは対策マニュアルを策定。捕獲などが原則禁じられているため、タンカンの幼木をビニール資材で保護、ほ場周辺を柵で囲うといった対策を講じるよう勧めている。同課は「まずは補助制度の周知などを図りたい」としている。
南日本新聞 | 鹿児島