2冠達成のサニブラウンは100mと200mのどちらで世界と勝負すべきか?
これで9月28日に開幕するドーハ世界選手権は100mに続き、200mでも日本代表が内定した。 大会後の会見で、日本陸連の麻場一徳強化委員長は、「サニブラウン選手は期待した通りの素晴らしいパフォーマンスを示してくれたと思います。2年前と比べると、カラダつきがたくましくなりましたし、技術的にも素晴らしいものを身につけているなという印象があります。100mの10秒02(-0.3)は湿気が多くて空気が重く、向かい風だったことを考えると、彼が米国で出した9秒97(+0.8)に匹敵するか、それ以上のパフォーマンスだったと思います」とコメントした。 100m決勝が行われた大会2日目は、王者の凱旋に1万3000人の観衆が沸いた。しかし、200m決勝のあった最終日は決勝種目が多かったにもかかわらず、観衆は9000人だった。世間の注目は100mに注がれているが、サニブラウンは100mと200mのどちらで勝負していくべきなのか。 100mと200mを兼ねるスプリンターは多く、たいていの場合どちらかに比重が置かれている。たとえば桐生は100mがメイン種目で、200mは日本選手権が今季初戦だった。200mの参戦は7月のヨーロッパ遠征に向けた「トレーニング」の意味合いもあったという。 小池は200mがメイン種目ながら、200mは日本選手権が今季2戦目。シーズン前半は100mのスピードを上げることに重点を置き、シーズン後半に200mの技術をすり合わせてドーハ世界選手権に向かう戦略を取っている。 サニブラウンはというと、両種目の出場頻度にさほど偏りがない。2015年の世界ユース選手権は100mと200mに出場して、ともに大会新をマーク。2017年の日本選手権は短距離2冠を達成している。今年6月の全米学生選手権でも100mで9秒97(+0.8)の日本記録を樹立すると、約45分後に行われた200mでも20秒08(+0.8)の自己ベスト。日本記録にあと0.05秒と迫る日本歴代2位の好タイムだった。 フロリダ大のマイク・ホロウェイコーチは、「彼は100mと200mの両方で戦える選手。世界最高のスプリンターを目指していける」とサニブラウンの才能を高く評価している。ウサイン・ボルト(ジャマイカ)のように100mと200mで世界の頂を目指していくことになるが、200mの方がキャリアは先行している。 2015年の北京世界選手権には男子200mで世界最年少となる16歳5か月で出場(100mは出場していない)。2017年のロンドン世界選手権では、男子200mでボルトの最年少決勝進出記録を約6か月更新する18歳5か月でファイナリストとなった(100mは準決勝で敗退)。