1年半で150万円を5000万円に!凄腕株式評論家「決算前にあなたの買うべき銘柄が分かるようになる」どうやって?
自力で稼いで年収1億円…そしてFIRE
ーー若くして成功される方は稼ぐ額が違いますね。しかし、1億円を稼げる仕事をなぜ辞めたのですか? 今でいうFire(経済的自立と早期退職)したことが大きかったですね。 元々知識に関しては貪欲に求めるタイプで「もっと金融の勉強をしたい」と思っていたのです。ディーラーとしてやっていた売買は短期ばかりで、長期の売買や、株以外の金融商品のことを知りたいと考えていました。 ーーそれらはディーラーをしながら学ぼうとされたのですか? いいえ、ディーラーは短期売買の仕事なのでそれ以外の知識をあまり必要としません。そこでかんぽ生命保険に転職しました。 かんぽ生命では、社債の売買などを行う債券部門に所属。リーマン・ショック(2008)がありましたが、私が取り扱っている債券にはあまり影響がありませんでした。そこで「格付けの高く安全な債券を持って入れば金融ショックで株が暴落しても、その影響を受ける可能性は低い」ということを学びました。 その後、株式を取り扱う部署に異動となり、生命保険会社の中を覗きみることができました。中に入らなければ分からない情報やシステムを実際に見ることができたというのは私の中で大変大きく、貴重な体験となりましたね。 そして、独立したのは35歳ぐらいのときです。一通り金融の知識を得ることができたので、今まで気築いた資産を運用して生活しようと考えました。個人投資家となり運用を行っているとマネー誌や、新聞、ラジオ出演などを通じて評論業に興味を持ち始め、メディアで株式評論家として活動するようになりました。 ーー評論家になられてからも投資は続けていらっしゃるのですか? 今は長期投資しかしていませんが、投資は続けています。独立した当初は株についての縛りがなかったので何でもできるという気持ちで自由に売買していました。
決算前に買うべき銘柄が分かるようになる
ーーまさにプロ中のプロですね。そんな坂本さんにお尋ねします。ズバリ、銘柄選びで大切なことは何でしょうか。 決算を見てファンダメンタルズと向き合うことですね。まずは四半期ごとの決算を見て業績を一つずつチェックしてください。業績をチェックする際には「投資している人たちが思い描いている業績を出せているのか」ということを考えるのです。 もし利益が出ていたら「何故業績が上がっているのか」を分析したり、営業利益の進捗などを見て「次の決算ではこれが反映されて良い決算が出るかもしれない」と予想したりするのです。慣れてくると、「業績予想は弱気だったけれども、良い材料が揃っているから上方修正してくるだろう」というのも分かるようになり、決算前に買うべき銘柄が分かるようになります。 業績に基づいた先回りは、投資の基本です。ただ、これはすぐに身に着けられるものではありません。コツコツ知識を積み上げていくしかないのです。 ーーまずは決算書とにらめっこをするところからがスタートということですね。 そうです。また、定量評価と定性評価という言葉があることも投資家なら覚えておきたいですね。 定量評価はデータを基準にして行う評価のことで、株では決算書のことを指します。一方で、定性評価は数値化できないもののことで、株では企業の経営方針や社長の資質、業界の動向、製品自体のこと、企業が持っている技術など、決算書に載らない要素のことです。 私は、定量評価:定性評価=3:7ぐらいの割合で投資をしています。これはベースの知識がなければできない分析ですが、ファンダメンタルズ投資家になるには必須知識。最初から「自分には無理」だと諦めるのではなく、少しずつ調べていけば良いと思います。
坂本慎太郎