月9「嘘解きレトリック」に漂う“小粒感”のワケ 「昭和」を感じるレトロ設定に「らしくない」の声も
マンネリ化の懸念も
初回は、他人のウソが分かってしまう鹿乃子が村で差別を受けて、生まれ故郷の村を去り、空腹で行き倒れた九十九夜町で金欠探偵の祝と出会う。そして、偶然にも2人が協力して殺人事件を解決していくプロセスがコミカルに描かれた。村でひどい差別を受けてきた鹿乃子を、そのまま受け入れる祝の優しさが初回の感動ポイントだ。 原作は「別冊花とゆめ」(白泉社)に2012年から18年まで連載されていた都戸利津(みやこ・りつ)さんの同名コミック。漫画原作の実写化ドラマを巡っては、23年10月期の日本テレビ系「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さん(享年50)が急逝するという事態が起こった。 「『嘘解きレトリック』の初回を見る限り、鹿乃子の母親の描き方に若干の演出が入っているほかは、概ね原作の世界観を踏襲しています。レトロ感あふれるセットは映画『三丁目の夕日』のような懐かしさがあふれていますし、鹿乃子が『おいてけ~』と唸りながらメザシをめぐって、ネコと対決する屋外でのロケも臨場感がありました」(同) それでも、初回視聴率の弱さは気になるところ。テレビ誌編集者は「そもそも昭和を感じさせるレトロな舞台設定自体、月9としては大変な冒険。ネットでは『月9らしくない』の声が飛び交っています。鈴鹿と松本が漫画のキャラとそっくりなのは、原作者を尊重してのことでしょう。ただ、他人のウソを見抜くことができる鹿乃子の能力によって、毎回難事件が解決するというパターンが続くようならマンネリ化は避けられません」と懸念する。 “大コケ”が「マコト」にならなければ良いのだが……。
デイリー新潮編集部
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