【密着】台湾の民族文化を伝え残そうと奮闘するフォトグラファーの息子へ届ける母の想い
この祭りから繋がったパイワン族の友人を訪ねて向かったのは、台東県にある大鳥村。本の執筆とならびライフワークにしているのが彼らの記録写真で、今回は観光客がほとんど来ることがない祭りや伝統儀式を撮りにきたのだ。 またあるときは、阿里山にある人口1000人ほどの達邦(ダーパン)村へ。7年前に知り合った同世代の男性は、ツォウ族の歴史や伝統を絶やすまいと立ち上がった村の若者。彼の想いに感銘を受けた賢伍さんは伝統文化を写真で記録するようになり、今では親友になった。 こうしてさまざまな民族や文化と触れ合う賢伍さん。最初は「ちゃんと生活しているのか、みなさまにご迷惑をかけていないか、時間を守っているのか…」と心配していた母・博美さんだが、現地での息子の活動を見て、「みなさんに受け入れていただいてありがたいなと思いました」と安心する。
今ではたくさんの仲間ができた息子へ、母からの届け物は―
台湾で古くから暮らす人々と固い絆で結ばれ、今ではたくさんの仲間ができた息子へ、母からの届け物はかつて賢伍さんが日本で台湾の人たちに見せていた感謝のメモを刺繍に起こしたもの。その刺繍が母の手によって1冊のノートに貼り付けられていた。添えられた手紙には「一つのメモから繋がった糸がたくさんの出会いを導いてくれました。まだまだ道なかば。ノートは何冊あっても足りないでしょう。『あの頃の気持ちを忘れないで』の願いを込めて刺繍にしました」と理由が綴られていた。手紙を読むなり突っ伏し、しばらく黙り込む賢伍さん。そして流れる涙をぬぐうと、「今まで会った人たちみんなに感謝したいです。それ以外の言葉はないです」と込み上げる想いを伝えるのだった。 (読売テレビ「グッと!地球便」2024年10月6日放送)
読売テレビ「グッと!地球便」