同じ空間にいられれば満足…とはいえ二人の老後を考えてくれない夫・太田光に腹が立つ!【太田光代さん連載】|STORY
夫を過保護に扱いすぎたのは私の失敗
それにしても、夫には過保護になってしまっていたかな(笑)。私が先手先手でいろんなリスクヘッジと共にあらゆるパターンを考えちゃうから、彼にとっては息苦しかったのかもしれません。 私がいないところで「妻に捨てられたら生きていけない」と言っているけど、それは私がいなくなったら単純に日常生活を送れないというだけですから。それに、そう思っているなら私に面と向かって言って欲しいです。 とはいえ、別に一緒にいる時に、あれこれ会話したいとも思っていない。 太田は一緒にいる時でもずっとイヤホンつけて全国のラジオを聴いているんです。私が「ねえねえ、ここのケアハウスが…」と話しかけてようやくイヤホンを外してくれる感じ。私は同じ空間に一緒にいられれば満足はするんですけどね。
お互い一人っ子で子どももいないから、老後問題が悩みの種。なのに夫に何を言っても馬耳東風
当面の問題は、年をとったらどうやって生きていくか、二人で安全に暮らせる場所を見つけること。定年後は田舎の方に引っ越してゆっくり過ごす方もいらっしゃるだろうけど、田舎で暮らすというのは、ご主人の方に生活を整えるサバイバル能力があって成り立つもの。太田には経済的に、ではなく生きのびる力がないですから(笑)、都心で、かつ何不自由ない環境でないとダメ。できれば病院が併設されているような施設がいい。そしてできれば同じ敷地内にレストランが豊富にあるところがいい。年をとると料理するのも危うくなるでしょうから。あるいはホテルでもいい。ホテルで老後を過ごされる方も結構いらっしゃるんですよ。 もしかしたら「まだ60歳なんて若いのに。まだそこまで考えなくてもいいんじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、私は小さい頃から現実的で、今考えなければならないことと並行して、先々のことまで考えるタイプ。 私は「一生、この状態は続かないよ? 身動き取れなくなってからじゃ遅いよ? 二人しかいないんだから誰も考えてくれないよ? 元気な今のうちに考えて行動しないと間に合わないよ」とヤキモキしちゃう。私は万全の対策を取りたいタイプなので。 夫は「今住む家があるのに、なんで先のことを考えなきゃいけないんだ? ここにいればいいじゃん」って感じです。一応は聞くふりして、全然考えてない(笑)。現実を直視することが苦手というか、ピンときてないから逃げちゃうというか。 リアクションしてしまうと私にもっと言い込まれちゃうから、ほぼノーリアクション(笑)。必要以上の反応はせずに、スルーと了解のグレーゾーンで乗り切っています。ほんと、そういうのも腹が立ちますけどね!!(笑) 撮影/河内 彩 ヘア・メーク/清水寛之 取材/柏崎恵理