未完の大器・清宮幸太郎、驚異のファーストストライク打率5割超え&ホームラン6発 「得点圏」もトップ、データが示す「目覚め」
◇14日 「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第3戦 日本ハム5―2ロッテ(エスコンフィールド北海道) 8年ぶりのCSファイナルステージ進出を決めた日本ハムは、若手の躍進が目覚ましい。そんな中、今季待望の”覚醒”を感じさせたのが清宮幸太郎内野手(25)だ。序盤は故障で出遅れたが、7月以降は15本塁打、OPS.997。未完の大器が活躍を見せた背景には、ファーストストライクを逃さない積極打法があった。(数字はデータスタジアム社提供) 14日のCSファーストステージ第3戦では、0―2で迎えた3回に同点となる2点適時打。初球の甘いスライダーを見逃さず右前にはじき返し、試合後のお立ち台では歓喜の涙を見せた。実は今季の清宮はレギュラーシーズンでも、初球打ちで打率.525、6本塁打と驚異的な数字を残していた。積極的な打撃が好循環を生み、過去2年と比べて全体のスイング率もアップ。特にファーストストラクのスイング率は61.5%で、打率.468、8本塁打を記録した。 もうひとつ、今季の清宮の成長が見える数字は、得点圏の強さ。規定打席には到達していないが、得点圏打率.394は300打席以上で両リーグトップ。走者2人以上の場面での打率は.455と強く、ポイントゲッターの役割を果たしてきた。また、7回以降に9本塁打と、試合終盤での活躍が目立った。 打球は初の規定打席に到達した2年前と比べるとフライよりもライナーの割合が増した。過去2シーズンは打率2割そこそこと苦手にしていた外角への対応も改善。本塁打は0本ながら打率.255とコースに逆らわない打撃を身に付けつつある。一方、真ん中や内角のコースには長打力を発揮し、外野への飛球に占める本塁打の割合(HR/OF)はキャリアハイの14%だった。 CSファーストステージでは打率.333、2打点と存在感を示した清宮。高校通算111本塁打、ドラフトで7球団が競合した大砲が、ファイナルステージ、さらには来季はシーズン通した活躍を見せられるか、日本球界の将来にとって楽しみな存在だ。
中日スポーツ