人気の「リノベーションマンション」築何年まで大丈夫?専門家に聞いた「購入時にチェックするべき」3つのポイント
「新築マンションが高騰」というニュースを最近よく目にします。2023年の首都圏新築マンションの平均価格は、8,000万円超。もはや、一般の人には手が届かない水準にまで達しています。そこで近年、注目されているのが「リノベーションマンション」です。リノベーションマンションとは、リノベーションが施されている中古マンションのこと。 【画像4枚】「中古・新築マンションの価格差」や、カウモカが提案する7つのスタイルが載ったパンフレットなどを見る 今回は、厳選された中古・リノベーション物件を紹介するサービス「cowcamo(カウカモ)」を運営する『ツクルバ』の村島智美さんに聞いたお話を、前後編の2回でお届けします。前編では、リノベーションマンションの魅力や購入時の注意点についてご紹介。
立地や価格…「リノベーションマンション」を選ぶ良さって?
中古マンションであっても、古さを感じさせず、新築のような設備が導入されていることも多いリノベーションマンション。村島さんに、プロならではの視点でリノベーションマンションの魅力を伺いました。 「リノベーションが済んでいるので、見た状態のお部屋をそのまま購入できる点が大きなメリットだと思います。中古住宅を購入して自分たちでリノベーションをするとなると、すぐには入居できず、改修後に“イメージと違った……”なんてことが起こらないとも言い切れません。 また自身でリノベーションする場合と違って、購入後すぐに入居できるので、もともと住んでいる自宅の賃料と、(リノベーション工事中の)新居のローンを二重で支払う期間も生じません」(以下「」内、村島さん) また、新築物件と比較しても、価格や選択肢の豊富さ、立地の良さ……など、さまざまなメリットがあるのだそう。 「新築物件の供給数は、減少傾向にあります。中古住宅のほうが圧倒的に数が多く、立地が良い物件も多いんです。なにより魅力的なのは、価格。リノベーションマンションの価格にはリノベーションにかかった費用が乗ってはいますが、それでも新築物件と比べれば安価です」
「リノベーションマンション」を購入するときの注意点
リノベーションされているとはいえ、中古住宅には変わりがないリノベーションマンション。耐震性や劣化状況は、気になるところではないでしょうか。 耐震性については、建築確認日(設計図面の審査が通って、建築主に建築確認通知書が発行された日のこと)で判断できます。建築確認日が「旧耐震基準(1981年5月31日以前)」か「新耐震基準(1981年6月1日以降)」かが一つの基準に。 ただ、村島さんは「建築確認日だけで耐震性を測ることはできない」といいます。 「私たちがよくお伝えさせていただくのは“地盤や構造も総合的に見ましょう”ということです。地盤の強さや土地の成り立ちについては、ハザードマップなどで確認できます。また、構造については、1階が駐車場など空洞になっているピロティー構造や多方面から揺れが伝わるL字やコの字の形より、正方形や長方形のマンションのほうが揺れに強いと言われています」 建築時期や地盤、構造とともに目を向けたいのが、マンションの管理状態です。最近では「マンションは管理を買え」という言葉も聞かれますが、管理状態は、実際に住んだときの快適性やその後の資産価値にも大きく影響してくる重要な要素なのだとか。 「コンクリートの寿命は、諸説ありますが、適切なメンテナンスをしていれば100年以上もつと言われていたりもします。ただ、マンションを構成しているのはコンクリートだけではありません。 外壁にヒビが入った状態を放置していれば、雨水が浸入して鉄筋が錆びてもろくなってしまいます。また配管設備やエレベーターなどは、コンクリートのように長寿命ではありません。 適切なタイミングで適切にメンテナンスされていなければ、快適性や安全性は損なわれてしまいます」 マンションの共用部や管理状態は、リノベーションで変えることはできません。これまでの修繕履歴や今後の修繕計画などについては、マンションを仲介する不動産会社が調べてくれるとのこと。適正に維持・管理されているのか、ヒアリングしてみましょう。 また、眺望や日当たり、周辺環境などもリノベーションで変えることのできない部分ですので、自分の価値観に合っているのかよく確認しておきたいポイントです。 共用部については、とくに駐輪場や駐車場をよく見るべきなのだとか。車や自転車を見れば、マンションに住む方の家族構成や年齢層がおおよそわかります。若い世帯が多いマンションは空室が少なく、管理に積極的な方も多い傾向にあることも。同年代の世帯が多ければ、価値観も合いやすいかもしれません。 マンションの維持・管理は、住人が協力して行っていくもの。立地や価格、部屋の中だけでなく、共用部や管理状態にも目を向けてみましょう。 【まとめ・リノベーションマンション購入時の注意点】 1 :耐震基準に適合しているか「建築確認日」をチェック 2:「地盤(ハザードマップ)」や「構造(正方形や長方形が強い)」を調べておく 3:マンションの管理状態を「修繕履歴」や「修繕計画」などでヒアリング (その他)住人の皆さんの年齢や傾向も把握しておくと安心材料に