イスラエル首相、ハマス大隊は数週間で「壊滅」-本格侵攻準備か
(ブルームバーグ): イスラエルがパレスチナ自治区ガザ南部のラファに部隊を徐々に送り込んでいるのは本格的な侵攻の始まりと見受けられる。イスラエルのネタニヤフ首相はイスラム組織ハマス大隊は数週間で「壊滅」するだろうと述べた。
民間人が被害を受ける恐れがあることに加え、イスラエルが支援物資の搬入を妨げているため、欧州連合(EU)やエジプトとの緊張が高まっている。
イスラエル軍の戦車と歩兵はハマス大隊の残党掃討を目指し、リーダーや人質を捜索しながらラファ東部をゆっくりと進んでいる。軍はラファの100万人強のパレスチナ人に事前に警告。数十万人が既に退避している。
こうした段階的なアプローチは、民間人の大きな犠牲を出さずにラファに侵攻するというネタニヤフ首相の公約に沿ったものだが、米国やEUは数カ月前からイスラエルに対し、避難民が犠牲となる恐れがあるため侵攻に踏み切らないよう求めてきた。ラファ検問所を通じたエジプトからの人道支援物資搬入は停止している。
ネタニヤフ首相はCNBCとの15日のインタビューで、「この戦争に勝つためには、ハマスの戦闘隊形を壊滅させなければならない。われわれは慎重にそれを進めており、人々を退避させている」と述べ、退避を勧告した地域の50万人が既に移動したと説明。ラファでの作戦について尋ねられ、「戦闘のピークとなる大隊の壊滅は数週間後に迫っている」と語った。
EUは声明でイスラエルに対し、「既に悲惨なガザの人道的状況をこれ以上悪化させることを控え、ラファ検問所を再開するよう」警告。「イスラエルがラファでの軍事作戦を続けるなら、EUとイスラエルの関係に大きなひびが入ることは避けられない」と表明した。
作戦停止せず
イスラエルは、支援物資は他の経路からガザに入ってきているとし、作戦の一時停止を求める声に応じる様子は見られない。イスラエル軍はラファでインフラを破壊し、ハマスの戦闘員を掃討していると表明。