ロシア、複数のルートで天然ガスを欧州に供給できる-ノバク副首相
(ブルームバーグ): ロシアのノバク副首相は複数のルートを通じて欧州に天然ガスを供給し続ける用意があると述べた。ウクライナ経由の輸送ルートは今年で契約が終了する。
今後のガス輸送で合意できるかどうかはウクライナ政府と欧州連合(EU)次第だと、ノバク氏は25日、国営テレビ局ロシア24とのインタビューで述べた。
ウクライナ経由に限らず「天然ガスの供給を継続する用意があるとこれまで常に述べてきた」と話した。
ウクライナ経由の供給が近く終了するという事態は、スロバキアなどが著しく懸念している。スロバキアは国内需要を満たすためにロシアのガスプロムに大きく依存。一方で大半の欧州諸国はパイプラインを経由したロシア産天然ガスへの依存を減らしつつある。ウクライナのゼレンスキー大統領はこれまで、戦時中のロシア財政を利さないとの保証がない限り、ロシア産ガスがウクライナを経由することは許さないと示唆してきた。
欧州の冬は例年より寒くなるとの予報が出ており、需要が増加する可能性は高く、在庫は通常より速いペースで取り崩されている。タイトな需給は来年の供給を確保したいトレーダーに課題を突きつけ、船で運ばれる液化天然ガス(LNG)を巡ってアジア勢と競っている。
ロシアにはウクライナ経由以外にも、黒海を通る「トルコストリーム」パイプラインなど複数の天然ガス輸送ルートがある。いずれも年間約150億立方メートルを輸送している。LNGとしてタンカーで運ばれる供給もある。ノバク副首相は25日、今年1-11月の欧州向け天然ガス輸出が500億立方メートルを超えたと述べた。
原題:Russia Can Send Gas to Europe Via Several Routes, Novak Says(抜粋)
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