『十角館の殺人』実写化で名演…40歳を超えて役者・青木崇高が至った境地
ミステリー界の巨匠・綾辻行人の作家デビュー作にして、最高傑作との呼び声も高い『十角館の殺人』 (講談社文庫) が、待望の実写映像化。3月22日 (金)午前十時(AM10時)からHuluで全話独占配信がスタートした。 【写真】『十角館の殺人』実写化…綾辻行人が37年越しに語る「館」へのこだわり 全世界シリーズ累計670万部を誇る綾辻行人の大ベストセラー「館」シリーズ。その第1作『十角館の殺人』は、緻密かつ巧妙な叙述トリックで読者を引き込みながら、たった1行で事件の真相を描く大胆な手法で、ミステリー界に衝撃を与えた。 誕生から37年経った今も色褪せない世界的名著として輝きを放ち、長年「映像化不可能」と言われてきた本作のドラマ化に挑んだ制作陣と出演者に、このほどインタビューを敢行した。今回は江南(かわみなみ)孝明役を演じた新進気鋭の俳優・奥智哉さんに制作の裏側を聞く。 ---------- 「十角館の殺人」ストーリー 十角形の奇妙な外観を持つ館"十角館”が存在する、角島(つのじま)。1986年、“十角館”を建てた天才建築家・中村青司は、焼け落ちた本館・青屋敷で謎の死を遂げていた。半年後、無人島と化していた角島に、K大学ミステリ研究会の男女が合宿で訪れる。 その頃、海を隔てた本土では、かつてミス研メンバーだった江南(かわみなみ)孝明のもとに【死んだはずの中村青司】から1通の手紙が届く。<十角館に滞在するミス研メンバー>と<死者からの手紙>。「偶然とは思えない」――。 江南は調査を進めるなか、島田潔という男と出会い、行動を共にしていく。一方“十角館”ではミス研の1人が何者かに殺害される。孤島である角島から出ることができるのは、1週間後。2つの物語から起こる【想像を超えた衝撃の結末】とは。 ----------
監督との世間話で知った『十角館の殺人』
映像化不可能と呼ばれていた本原作。以前、青木さんはそのことについて、監督の内片さんと話をしていたという。それもあってか、本作への出演が決まったときの驚きは大きかったと語る。 「これまで内片監督とは何度も作品でご一緒しているんですが、とある作品の撮影の合間に、『“映像化不可能な作品”って、多いですけど、本当に映像化が無理な作品って監督は何かありますか? 』といった話をしたことがあって。そこで監督が一番に挙げたのが『十角館の殺人』だったんです。世間話程度の会話だったので、話はそれで終わったんですけど、それから何年か経って監督が(十角館の殺人を)撮ると聞いて、いや、不可能なんでしょ!? と思いましたよ」(以下、「」内は青木崇高さんのコメント) 実際に原作の小説を読んだ青木さんは、原作を読んで驚きを隠せなかったという。それでも、長くから付き合いのある内片監督への信頼から、チャレンジングな企画になることを覚悟しつつ、喜んでそのオファーを引き受けた。