森田理香子さん、なんでペラペラアイアンを4番まで入れちゃうんですか?【女子プロセットのどこマネる!?】
今季、6年ぶりにツアー復帰を果たした飛ばし屋の森田理香子のセッティングを分析。アマチュアの参考になる点を、フィッター兼クラフトマンの吉田智氏に聞いた。 森田が使う5Wの打痕がやや上目、アイアンの打痕がヒール側に集中するのはなぜか? ◇ ◇ ◇ 男子プロのような『男前』セッティングですね(笑)。アイアンは3番から入れていますし、アイアンシャフトは『DG105 S200』とかなりハードですね。一時身を引いていたとは思えない男子プロみたいなセッティングです。開幕戦初日の11番ホールで300ヤードを記録したそうですが、恐ろしいパワーヒッターぶりですね。 彼女のセッティングの一番の特徴は、ユーティリティを使わない点でしょう。昔からアイアンショットが得意な選手です。手元を急激にターンさせて、上から強烈なダウンブローで球をとらえます。リストターンを使うスイングは上から打ち込みやすくなる。こういう選手はヘッドが小さいアスリートモデルが合います。 彼女がヘッド長が長いユーティリティを使うと、フェースが返りすぎて球が曲がってしまう。また、ユーティリティだとソール幅が広い分、ソールが地面に弾かれてしまう。ユーティリティやヘッドが大きいキャビティバックのアイアンに合うスイングは、ノーコックでフェースターンの少ない払い打ち。だから、森田プロはキャビティバックよりも、ヘッド長が短くソール幅も狭いペラペラなアスリートモデルが合うのです。 プロギアのユーティリティは構えやすい顔ですが、球がかなりつかまりやすい。ドローヒッターで引っかけを防ぎたい森田プロは、イメージ通りにラインを出しやすいアイアンの方を重宝しているのだと思いますね。 他にセッティングで目に付くのがフェアウェイウッドで、5番しか入れていない点ですね。これは3番と5番を打ち比べたら、それほどキャリー差が変わらないのだと思います。もちろん下の番手を厚めに入れる意図もあるでしょう。 アマチュアで多いのが、3番ウッドと5番ウッドを入れていてもキャリー差がほとんどないケース。これでは意味がありませんし、こういうケースでは短くよりロフトがあるやさしい5番ウッドだけを入れるのが得策です。そのぶん、下の番手を厚めに入れるほうが戦略性が上がると思います。まずは自分の3番ウッドと5番ウッドのキャリーの差がどれだけあるかをチェックしてください。差がない場合は、5番ウッドだけを採用しましょう。5番ウッドと7番ウッドを比べるときも同様です。飛距離を比較する場合は、トータル距離ではなくキャリーという点も覚えておいてください。 【森田理香子のクラブセッティング】 1W:PRGR RS F(9.5度/ディアマナWS 50X) 5W:PRGR RS(18度/ディアマナWS 60S) 3I:PRGR 03 IRON(OTi 85 S) 4I~PW:PRGR 01 IRON(DG105 S200) 48,54,58度:PRGR 0 TOUR ウェッジ(DG105 S200) PT:PING 2021 パター DS72 BALL:PRGR RS SPIN ※2024年「ダイキンオーキッドレディス」練習日のセッティング ■森田理香子 もりた・りかこ/1990年生まれ、京都府出身。2010年に圧倒的な飛距離を武器に、ツアー初優勝。13年には賞金女王に輝いた。ツアー通算7勝。今季ツアーに復帰を果たし、開幕戦では平均飛距離2位の255.625Yを記録 ■吉田 智 よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている ◇ ◇ ◇ ●アイアンセットの“普通の5番アイアン”は、打ちこなすのは難しい。だが、ロフト25度前後のクラブこそスコアメイクには重要という。関連記事【ロフト25度の番手が重要なんて知らなかった! 飛び系アイアンか? ユーティリティか? それが問題だ】を読めば、ロフト25度前後のベストギアが見つかるかも!?