[党首走る]国民民主・玉木雄一郎代表、「鎧」は毎朝折り目正しく
前身の旧国民民主での共同代表時代を含め、党首歴は約6年半となった。学生時代に陸上の十種競技で鳴らした体力で全国を回り、「国の懐ではなく、国民の懐を豊かにするのが政治の責任だ」と訴える。
「対決より解決」を党是に掲げ、時に与党とも協調し、独自の存在感を示してきた。「立ち位置があいまい」との批判も浴びるが、「国民にとって最善の政策を前に進めるためだ」と意に介さない。
「やれることは何でもやる」と始めたユーチューブは、チャンネル登録者が20万人を超えた。ネットメディアにも積極的に出演し、党の知名度向上に貢献する。
多忙でも毎朝欠かさないのがスーツのアイロンがけだ。しわを伸ばす作業は「精神統一にもなり、気持ちをリセットできる」といい、反省点や新たな演説内容を考える“セルフ作戦会議”の時間にもなっている。
20日朝は、滞在先の和歌山市のホテルで、15分かけてアイロンをかけた。「スーツはいわば武士にとっての『鎧(よろい)』。鎧にほころびがあると弱そうだし、相手候補や有権者に失礼だ」と語る。
結党から約1年で迎えた2021年衆院選では11議席を獲得したが、離党者が相次ぎ、公示前には7議席に減った。「毎日が正念場」と気を引き締め、自ら整えたスーツをまとって最終日まで遊説に奔走する。(政治部 峰啓)