もうすぐ60歳、年金の見込み額は月1万5000円です。65歳まで国民年金の任意加入をしたら年金はどのくらい増えますか?
任意加入で年金額はどのくらい増やせる?
国民年金保険料の納付期間は60歳になるまでですが、保険料を納付した期間が40年に満たないため年金額が満額より少ない場合は、任意加入をして60歳以降も保険料を納め、年金額を満額に近づけることができます。任意加入できる期間は60歳から65歳になるまでで、途中で年金額が満額に達した人はそれ以上保険料を払うことができません。 では、任意加入することでどのくらい年金額を増やせるか計算してみましょう。1年間(12ヶ月)任意加入すると満額(480ヶ月フルに加入)の12/480だけ増えます。 満額を81万3700円とすると、 81万3700円 × 12/480 = 2万343円 1年間の任意加入で、年額2万343円、5年間(60ヶ月)なら年額10万1715円、月額で8476円増えることになります。 公的年金を65歳から90歳まで25年受け取ると考えれば、任意加入によって約250万円も多く受け取れます。国民年金保険料は納付方法によって金額が異なりますが、国民年金保険料を年20万円とすれば5年分で100万円です。であれば、長生きリスクに備えるためにも任意加入しておいたほうが、お得なのではないでしょうか。
付加年金保険料を払えばさらに増える
任意加入で保険料を払っている期間は、付加年金保険料(400円/月)も追加して払うことで、年金額をもう少し増やすことができます。 付加保険料を1年(12ヶ月)払えば2400円、5年(60ヶ月)なら年額で1万2000円の付加年金が上乗せされます。保険料が少額なので、増額分も決して多くありませんが、終身で受け取れる公的年金ですから、任意加入する際は、付加年金保険料も納めるよう手続きしておくのがお勧めです。
まとめ
65歳から受け取れる年金の見込み額が月に約1万5000円のAさんですが、5年間任意加入して、さらに付加保険料も納めていけば、月額で約9500円アップの約2万4500円に増えることが分かりました。老後に年金だけで暮らしていける金額ではありませんが、長生きすることを考えれば少しでも増やしておきたい老後のお守りです。 任意加入は手続きした日からさかのぼって加入することができないので、5年間フルに任意加入できるよう早めに手続きをするとよいでしょう。 執筆者:蟹山淳子 CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部