勝負の9月、阪神にドラマチックな結末を 高橋遥人の球「どれも一級品」 野手は誰か月間MVPを取って 糸井嘉男氏が期待
阪神、オリックス、日本ハムで活躍したデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(43)の「超人目線」。今回のテーマは勝負の7連戦。阪神は直近2カードが5勝1敗で、首位・巨人に2・5ゲーム差と再接近した。10日のDeNA戦を皮切りに甲子園で7連戦を戦う。糸井氏は10日に対戦するDeNA・東攻略のポイントを挙げ、阪神・高橋の救世主としての働きに太鼓判。さらに野手陣には月間MVPを取ってほしいと期待を込めた。 ◇ ◇ やっぱりタイガースは9月に来ましたね!さすが昨年のチャンピオンチームです。ペナントレースの勝負どころを心得ています。勝負の9月は他の月とは違います。後半戦の戦いぶりを見ていれば、ドラマチックな結末が待っていそうな予感がします。 10日から4位・DeNAと3連戦。相手は打線が好調で、2ゲーム差に迫ってきています。前回横浜で連敗を喫しただけに、本拠地・甲子園でしっかりたたいておきたいですね。初戦の先発投手はエースの東投手。8月28日の対戦では7回2失点に抑えられています。相手は自信を持って投げてくるでしょう。もうここまできたら苦手とか言ってられませんが、思い切って「変化」してみるのもいいかもしれません。打席での立ち位置を変えてみたり狙い球を絞ってみたり。しっかり対策を練って、チーム全体で攻略したいところです。 残り16試合。投手では高橋投手に期待したいですね。ケガから復帰後は3戦3勝とまさに救世主の働きを見せてくれています。左腕に3カ所もメスを入れるなんて考えられないこと。リハビリは自分も経験がありますが本当につらいものです。高橋投手もこの先、野球を続けられるのかと、不安になったと思います。それでもモチベーションを保って、1軍でこれだけの活躍を見せてくれるのですから、精神力も大したものです。 以前はチームメートとして一緒にプレーしました。今回、外から見させてもらって、改めて素晴らしい投手だと感じています。ボールのキレ、コントロール、腕が遅れて出てくる打ちづらいフォーム。どれも一級品です。今後は13日の広島戦(甲子園)に続いて、23日の巨人戦(甲子園)や10月3日のDeNA(横浜)にも先発する可能性があると聞きました。ライバルチームにいいピッチャーをぶつけるのはセオリーですが、四つどもえの優勝争いの中で頼もしい限りです。 野手は誰か月間MVPを取ってほしいですね。今は打線が好調です。1番・近本選手が出塁して中野選手が送って、森下選手、大山選手、テルのクリーンアップでかえすという形ができています。下位でチャンスをつくって、上位でかえすという昨年のような阪神らしい攻撃も見られるようになっています。その中で大爆発してくれる選手が出てくると、打線はますます活気づくはずです。 巨人と広島は阪神を不気味に感じていると思います。昨季の阪神はペナントレースを独走して、日本一まで駆け上がりました。阪神の力はライバルチームが一番よく分かっています。リーグ連覇へ、勝ち続けるしかありませんが、プレッシャーもかけたくないですね。選手には楽しんでプレーしてほしいですし、こちらは劇的フィナーレを迎えると信じて、最後まで見届けたいと思います。