「ベリル」は再びハリケーンに、勢力強めテキサス州湾岸に接近
(ブルームバーグ): ハリケーン「ベリル」は、8日の早い時間にテキサス州沿岸に接近するにつれて勢力を強めると予想されており、上陸する前に5段階のうち下から2番目のカテゴリー2の風速に達する可能性がある。
当局は住民に予防措置を促し、石油会社は操業を調整し、緊急作業員が嵐の中、対応の準備を進めている。7日の記者会見でホイットマイヤー・ヒューストン市長は、「要するに、総動員だ。この嵐は初日から予測不可能だった」と述べた。
テキサス州のパトリック副知事も同日の記者会見で「まだ熱帯低気圧だが、ハリケーンになるだろう。進路上にいる人々にとっては、命の危険がある暴風雨になる」と注意喚起した。パトリック氏は州民に対し、嵐が来る前に避難し、外に出なければならない場合は注意するよう呼びかけた。ベリルは先週、カリブ海とメキシコを縦断し、9人の死者を出す壊滅的な被害をもたらした。
米国立ハリケーンセンターの米東部時間8日午前3時時点の予報によると、嵐はテキサス州南部コーパスクリスティの東北東100マイル(約160キロメートル)の地点にあり、最高時速は約80マイル(約128キロメートル)。メスキート湾からポート・ボリバーまでハリケーン警報が発令されている。
州内の一部は1フィート(25センチ)以上の雨に見舞われる可能性があり、同センターは 「生命を脅かす複数の危険」を警告している。
ベリルの強風は、テキサス州に接近する際、海岸の一部に最大7フィート(2.1メートル)もの浸水をもたらす可能性があり、121の郡で非常事態宣言が出されている。石油・天然ガス大手エクソンモービルは7日、暴風雨の接近に伴い、一部の操業を調整していると発表した。
先週カリブ海で、最も勢力の強いカテゴリー5のハリケーンとなったベリルは、5日にメキシコ南東ユカタン半島を通過する際に勢力を弱め、現在はメキシコ湾を横断している。8日の早い時間にコーパスクリスティの東に上陸する可能性がある。