新型ジビエカー完成 解体処理、従来より安く小型に
野生鳥獣の肉(ジビエ)の利用促進に向けて、新型の移動式解体処理車(ジビエカー)の実証車が完成した。「新型ジビエカー開発コンソーシアム」が手がけているもの。従来の車体に比べて小型で、低価格が特徴。本年度は山梨県と熊本県で新型車を実証実験し、2024年度からの販売を目指す。 ジビエカーは、野生鳥獣の剥皮・内臓摘出といった一次処理や枝肉を冷蔵保存できる車両。従来のジビエカーは、車体が大きく、1台3000万円ほどと高価で、導入は4台にとどまっていた。 新型車は設計を見直して小型化した。車内には内臓摘出をする解体室と冷蔵室を備えた。車両後方に車体パネルをスライドして作った壁とカーテンで仕切った空間で、洗浄・剥皮をする。厚労省のガイドラインに準じた解体処理ができ、将来的には、ジビエカー単体での国産ジビエ認証の取得を目指す。販売予定価格は1000万~1500万円。 同協会の藤木徳彦代表理事は「移動ができるメリットをさらに生かし、さまざまな活用ができるよう提案していきたい」と話した。 コンソーシアムは、日本ジビエ振興協会など民間4団体と2自治体で構成している。車体の製造は、シンクロ・フード(東京都)が担当した。
日本農業新聞