ドミニカ共和国で大統領選 隣国ハイチの移民対応争点に
【サンパウロ共同】ドミニカ共和国で19日、大統領選が行われた。治安が悪化した陸続きの隣国ハイチからの移民対応などが主な争点で、再選を目指す現代革命党(中道左派)の現職ルイス・アビナデル氏(56)、過去3期大統領を務めた国民勢力党(左派)のレオネル・フェルナンデス氏(70)ら9人による争い。 事前の世論調査ではアビナデル氏が支持率60%で優位に立ち、フェルナンデス氏が25%で続く。当選に必要な過半数を得票する候補がいなければ、上位2人が6月30日の決選投票に進む。 ハイチでは2021年のモイーズ大統領暗殺以降、情勢不安が拡大。ギャングによる暴力が横行し、無法状態となった。 アビナデル政権は移民流入を警戒し、ハイチとの国境に長さ160キロ超に及ぶ壁の建設を開始した。難民キャンプ設置を容認せず、国連も停止を求めるハイチ人の強制送還を続けるなど厳しい対応を取る。フェルナンデス氏は不法滞在であってもハイチ移民の人権を尊重するよう訴えた。
新大統領は8月16日に就任し、任期は4年。有権者数は約810万人。