【ラグビー・2024年度関東下部リーグ後半戦リポート①】中央大、専修大が1部昇格の権利を獲得!
関東大学リーグ戦はじめ下部リーグの戦いは、一部を除き11月24日で終了した。上位リーグの7、8位と下部リーグの1、2位が対戦する入替戦のカードも確定した。 【プレー写真はこちら】 <リーグ戦1、2部入替戦> 1部は11月24日の最終節で全国大学選手権に出場する3校が決まった。下位は立正大と日本大が2勝5敗で並んだが、勝点17の立正が同16の日大を上回り6位。関東学院大が24日、立正大を36-34で下しようやく初勝利を挙げるも、1勝6敗で8位となった。 2部との入替戦は12月15日におこなわれる。日大が2部2位の専修大、関東学大が2部優勝の中央大と対戦する。 <2部順位確定。中大が優勝、4年ぶりの1部復帰目指し入替戦へ> 2部も11月24日、最終第7節をおこなった。前節までに中大と専大が5勝1敗で1位グループを形成。4勝2敗の白鷗大、拓殖大、山梨学院大が追いかけ、最終節の結果では順位が入れ替わる可能性があった。 中大は白鷗大とホームの中大ラグビー場で対戦した。前半先制されるもすぐに2トライをマークし逆転。55-14で下し、2部優勝を決めた。 試合後、詰めかけたOB、OG、選手たちの家族に、キャプテンのFL山﨑祥希(4年/國學院栃木)は約束した。「熊谷の入替戦に勝って八王子に戻ってきます」。創部100周年の今年、古豪は復活へ歩む。 ’21年度の入替戦で初めて2部に落ちた名門は、’22、’23年度と2部で3位にとどまり、復活への道を閉ざされてきた。今年は11月10日に全勝の専大を破り勢いがついた。「この2週間、1部に上がるために全力で取り組んできました」と山﨑は話す。 前半、先制したのはグリーンの白鷗。6分、右中間スクラムから押し込み反則を得ると、ラインアウトへ。モールを押し込みHO山本真叶(まなと。2年、松韻学園福島)が仕留めた。 「反則が多いのが課題」とは自ら失点を招いた中大、山﨑主将。 しかしディフェンスに自信を持つ中大は白鷗のパワーランナーたちを止め続ける。14分、白鷗陣でラインアウトを選択も投入でミスが起こったが、ボールが再び中大へ入りゴールラインに迫る。 PK獲得からSH野村幹太(3年、東京)がすばやくタップし、4年NO8加藤玄(東京)へ。東京ラインでトライをマークし5-7とする。コンバージョン(G)はルーキー吉田晃己(桐蔭)が独特のルーティン後、正確に蹴り込み追いついた。 3分後、左ラインアウト起点のオープンサイドへの攻撃で、CTB千葉央貴が白鷗ディフェンスを置き去りにし右中間へ運んだ。Gも吉田が決めて14-7。20分には白鷗陣22メートル左サイドのスクラムからSO須田龍之介(2年、大阪桐蔭)が3人目のファイブポインターに。21-7とリードを広げる。 30分すぎ、白鷗が中大ゴールラインに押し寄せる。ゴールラインを背負ったディフェンス。「全員、耐える時間と理解していた」(山﨑主将)。タックル浴びせ続け、5分間をしのいだ。37分、今度は白鷗が自陣で反則、吉田がPGを成功し24-7でハーフタイムを迎えた。 後半、中大のキックオフ。白鷗が中大陣へ入るも反則。1分45秒、中大がまたもタップから仕掛けるとFB吉田が右隅へ飛び込んだ。さらに5分には白鷗のパスミスをカットして自陣からつなぎ、最後はFL山﨑がディフェンスを破ってトライラインを越えた。 中大はこの後も3トライを追加し、白鷗に1トライ許すも計8トライ55-14で圧勝。勝点6を得て総勝点36とし、専大は63-28で拓大を破るも同35で2位になった。 キャプテンの山﨑は話す。「まだまだ通過点です。この1年間、1部昇格を目標に取り組んできました。入替戦まで2週間、課題のペナルティ(前後半で9個のPKを与えた)をしない。修正したい」。 この試合で前半すべてのキック(3G1PG)、後半はトライも決めたFB吉田は、3年生SOの兄・勇仁を追って中大を選んだ。「兄と同じ環境でラグビーを続けたかった。キックには自信があります」。 今年1月7日、桐蔭学園のFBとして全国高校大会(冬の花園)の決勝で東福岡高と対戦した。8-5で桐蔭が勝利。前半13分に吉田がPGを決めた。この3点が母校に4度目の優勝をもたらした。入替戦でも貴重な得点源になる。 山梨学院大は國學院大を57-33で下し、勝点33として3位に。拓大、白鷗大が4勝3敗で続いた。國學院は2勝で6位。7-8位は24日、朝鮮大と国士館大が直接対決し、朝大が51-22と制して1勝6敗の7位に。全敗の国士館が最下位となった。 3部との入替戦は朝鮮大が3部2位の東京農業大と、国士館は3部優勝の新潟食料農業大と対戦する。いずれも昨年度と同じ顔合わせだ。 (文:見明亨徳)