米ウクライナ首脳、10年間の安保協定に署名 「もしトラ」対策で
バイデン米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は13日、ロシアの侵略に対するウクライナの防衛強化を目的とした10年間の二国間安全保障協定に署名した。 イタリアで開かれている主要7カ国(G7)サミットに合わせて調印されたこの合意は、当局者らによると、トランプ前大統領が11月の選挙で勝利したとしても、将来の米政権がウクライナ支援を約束することを目的としている。 バイデン米大統領 「ウクライナの信頼できる防衛力と抑止力を、長期にわたり強化することが目標だ。ウクライナにとっての永続的な平和は、ウクライナ自身の現在の防衛力と、将来いつでも起こりうる侵略を抑止する能力によって保証されなければならない。米国は、ウクライナがその両方を確実に行えるよう支援するつもりだ」 ウクライナ ゼレンスキー大統領 「これは持続可能な平和を保証するための措置に関する合意である。ゆえにそれは世界のあらゆる人々に恩恵をもたらす。なぜならロシアのウクライナへの戦争は現実のものであり、世界にとって真の脅威であるからだ」 合意は、米国からの武器や弾薬の提供のほか、情報共有も含まれており、ウクライナの最終的な北大西洋条約機構(NATO)加盟に向けた一歩となることを意図している。ゼレンスキー氏はずっとNATO加盟を求めているが、同盟国はそれには応じていない。 またG7首脳らは13日、22年のウクライナ侵攻後に凍結したロシアの国家資産が生む利子を活用して、ウクライナに500億ドル(約7兆8000億円)の支援を行うことで大筋合意した。 この前日にも米政府は、ロシアの軍事機構を弱体化させる取り組みの一環として、ロシアに半導体を売却する中国を拠点とする企業を含む、制裁の大幅拡大を発表していた。 一方トランプ前大統領は、ウクライナの戦争継続に懐疑的な見方を示しており、かつて大統領に再任されれば就任初日に戦争を終わらせると発言したこともある。 トランプ氏は13日、ワシントンで議員らと会談した。出席した議員によると、トランプ氏は共和党も賛成し可決された600億ドル規模のウクライナ支援策を批判したという。