ハイブリッド車のみが好調… 欧州、EV販売減少でCO2排出量目標に届かず? 業界団体が警告
今年のEV販売は低迷、唯一ハイブリッドが好調
欧州自動車工業会(ACEA)の最新データによると、欧州市場における新車のEV販売シェアは8月に大幅に減少した。 【写真】欧州のEV不調、中国ブランドにも打撃?【GMWオラ03を写真で見る】 (18枚) 欧州全体(欧州自由貿易連合および英国を含む)では、8月に75万5717台の新車が登録されたが、これは2023年8月と比較して16.5%の減少である。 パワートレイン別に見ると、このうちEVは16.7%で、前年同月の21.7%から5ポイント減少した。 一方、プラグインハイブリッド車(PHEV)のシェアは7.5%から7.0%に減少、ディーゼル車も11.5%から10.1%に減少した。 ガソリン車も33.0%から32.5%に減少した一方で、従来型(プラグインでない)ハイブリッド車の人気は大きく上昇し、シェアは24.2%から31.3%に増加した。 これらの傾向は8月だけに限ったことではない。今年1月から8月末の間で、EVのシェアは14.0%と、前年同期の15.1%から減少している。 同期間中にPHEVは0.3%減、ディーゼルは1.5%減、ガソリンは2.0%減であった。 市場シェアを伸ばした唯一のパワートレインは従来型ハイブリッドで、25.7%から30.4%に増加した。 ACEAはこの傾向について、手頃な価格のクリーンエネルギーや原材料の供給など、いくつかの「重要な条件」が満たされなかったことが原因だとした。また、「経済成長、消費者の受容、インフラへの信頼も十分に発展していない」とも指摘した。 ACEAは、この1年間の新車市場の予想外の変動を踏まえ、欧州連合(EU)に対して2025年のCO2排出量目標を緩和するよう求めた。目標未達成のメーカーには「数十億ユーロの罰金」が科せられ、雇用削減、生産削減、EV開発への投資削減につながる可能性があると警告した。 「この下降傾向を反転させ、EU産業の競争力を回復し、戦略的な脆弱性を軽減するため、今こそ緊急かつ有意義な行動が必要だ」と述べた。
チャーリー・マーティン(執筆) 林汰久也(翻訳)