多彩な人材応援のプランとは? 大阪市厳選ベンチャー企業
多彩な人材を応援する3社のビジネスプランとは
多彩な人材応援のプランとは? 大阪市厳選ベンチャー企業 撮影:岡村雅之 THEPAGE大阪
大阪市が成長を見込めるベンチャー企業を厳選し、事業展開を総合的に支援して成長を加速させる「大阪市シードアクセラレーションプログラム」。第2期の採択企業10社がこのほど決定し、社会へアピールする発表会が開かれた。来年2月までの4か月間、先輩起業家や大手企業の新規事業担当者などが家庭教師役を務め、新鋭経営陣たちを徹底的に鍛え上げる。アマチュアアスリート、町の飲食店主、働く大人女子。多彩な人材を応援する3社のビジネスプランをリポートしよう。 年間集客数1800万人「ジャンカラ」の東原新社長に聞く
動画でプレーを分析して選手の実力を強化
スポーツチームを強くする動画分析共有アプリ「Spoch」(スポック)を開発したのは、SPLYZA(静岡県浜松市)。チームの練習や試合を撮影した動画を元に、指導陣と選手たちが情報を共有し、コミュニケーションを深めながら、チームや選手個々人の実力を高めていく。プレーの動画があると、指導のポイントが選手に具体的に伝わり、短所を修正しやすく長所を伸ばしやすいメリットを最大限に生かす。 9月末にリリース開始以来、15種目の計45チームが日々の練習に活用。女子バレー選手のひとりは「自分のプレーをスローモーションやコマ送りで分析し、2画面で他の選手のプレーと比較できる。苦手だったサーブの欠点を直すことができた」と、実戦に役立つ効果を報告して喜ぶ。 土井寛之社長は兵庫県出身で、サーフィン好きが高じて企業を退職し、海外で修業に打ち込んだ体験を持つ。夢と現実の狭間で揺れ動くアスリートの思いに心を砕く。全国で活動するスポーツクラブは20万チーム。土井社長は「5万チームがSpochを利用し、Spochで強くなることが当たり前という環境醸成を目指す」と前を向く。 サッカーのシュートシーンなど、プレーごとにタグ付けが可能。選手の技術向上につながる他、ひとりの選手の活躍シーンだけをまとめて資料動画集を作成することもできる。選手側は自身の実力を存分に発信し、スカウトは小さな大会まで視察に出掛けなくとも才能あふれる人材を見つけやすい。将来的には有能な選手を内外から広く発掘できる人材育成システムへ進化する可能性を秘める。 「スポーツ界全体のボトムアップを図りたい。プロばかりではなく、アマチュアの子ども時代から支え、すべての選手にチャンスを提供したい。運営資金がさほど潤沢ではないアマチュアチームの選手たちの挑戦を後押ししていく」(土井社長) 動画がアスリートを育てる時代が訪れそうだ。