「サケ鍋」が「豚汁」に…深刻化する秋サケの不漁 漁獲量は10年前と比べて3% 背景には…
2024年はウグイなどに混じってわずか数匹。 水車での捕獲数も過去2番目に少ないということです。 (千歳水族館 菊池基弘館長)「サケが好む水温は大体14℃以下と言われているんですが、いまの千歳川の水温でようやく20℃を切ったか切らないかぐらい。水温の高い状態が続くのは、サケの遡上を制限する要因になっているかもしれない」
これは北海道にやって来る秋サケの推移です。 2005年の5000万匹をピークに減少傾向となり、2024年は平成以降で最も少ない1700万匹と予測されています。 温暖化による海水温の上昇などが要因とみられています。
秋サケ漁が始まるも…獲れたのは11匹
9月から秋サケ漁が始まった日高のえりも町です。 沖に仕掛けた定置網を引き揚げると… かかっていたのは、ほとんどがブリ。 中にはクロマグロもー (えりも鮭定置網部会 佐藤勝 部会長)「200キロクラスのマグロもいるよ、でももう獲れない。(漁獲枠の)上限いっちゃったから。だから毎日海に投げている」
この日、獲れたサケはわずか11匹。 えりも漁協の漁獲量は、ことし9月20日時点で約39トン、10年前の同じ時期と比べて3%と極端に落ち込んでいます。 (えりも鮭定置網部会 佐藤勝 部会長)「最低の漁だって予想は出ているけど、いまの段階では多分それ以下だな。これから期待するしかない」
サケの不漁は、地元の加工場にも影響を及ぼしています。 (マルデン 傳法貴司社長)「サケのラインなんだけど、いまサケがないもんだから、ライン動いていない。(ことし)まだ一回も動いていない」 この時期はフル操業が続いているはずですが、機械はまったく動いていません。
代わりに従業員が加工していたのは… ここでも、ブリです。 (マルデン 傳法貴司社長)「ブリは5~6年前からだね。ブリが獲れるようになったらサケが獲れなくなった。サケを主体に考えていたけど、獲れないからいろいろな魚を加工して工場を稼働させていきたい」