150年ぶり直径2・5mの巨大木桶を新造、長年更新できず…若手職人と共同で再開し徐々に大きく
昔ながらの木桶(きおけ)による醤油(しょうゆ)づくりを続ける埼玉県川島町の「笛木醤油」(1789年創業)で、「50石」と呼ばれる同社最大の大桶づくりが約150年ぶりに行われている。
桶は高さ、直径ともに約2・5メートルで、約9000リットルの醤油を製造できる。古くから同社にある38の大桶のうち、半数以上が50石だ。しかし木桶を製作できる職人が少なく、更新できずに長年使い続けていた。
伝統製法を絶やすまいと、社長の12代目笛木吉五郎さん(44)が8年前、各地の若手職人と共同で桶作りを再開。徐々に大きくし、今年、50石の製作にたどり着いた。
作業は10月22日に始まり、職人5人が、スギの板60枚を竹くぎでつないだり、竹のタガを木づちではめたりしてきた。1日は底板の打ち込み作業が行われ、ほぼ完成した。3日の創業祭でお披露目の予定だ。
笛木さんは「木桶による醤油の製造は時間も手間もかかるが、じっくり発酵や熟成が進むため、深みのあるまろやかな味になる」と話す。来年2月に新しい50石で醸造を始め、早ければ1年後に出荷するという。