元NHK→独立L監督→西武職員 “異色”の男が進める若手改革…負けてもインタビュー行うわけ
故障離脱も「前より強くなって帰ってくると思います」
村田が1軍出場を果たせたのは、フィジカルや技術面の努力だけではなく、自分自身に向き合う努力を重ねることができたからという証明にもなった。そこから見えた村田の武器とは。 「どうして合わなかったのかを実際の試合中だけではなく、練習の時はこういう感覚だった、試合ではこういう感覚だった、映像見たらこうだった、とさまざまな視点で考えられるところが彼の良さでもあります。体のサイズや飛距離に注目されがちですが、3軍スタートの開幕から1か月半で1軍に昇格した村田選手の一番の武器は、“思考力”にあるのかなと思います。1軍でも、凡退した次の打席で、同じボールをミスショットせずに安打にし、試合で成長ができていました」 それだけに怪我での離脱は悔しい。だが、「そのしっかりした思考力があれば、必ず怪我する前よりも強くなって帰ってくると思います」と伊藤さんは語る。 今シーズンはこのリフレクションをインタビューでも取り入れようと若獅子リフレクションが始まった。「日々の取り組みでGBNのリフレクションサイクルを作れているので、普段からやっていることを勝った試合のインタビューだけでなく、負けた時でもやっていこうとなりました」。 発案者は元投手で現在バイオメカニクスを担当する武隈祥太さんだ。選手も最初は戸惑いがあったそうだが、考えをメディアに乗せて自ら発信するという機会を、うまく活用してほしいと伊藤さんたちは考えている。
「パ・リーグ インサイト」海老原悠