名古屋グランパスU―18、FW大西利都「自分のプレーで名前を」 父は今季まで中日コーチの大西崇之さん、俊足は親譲り
名古屋グランパスU―18で、FW大西利都(17)が2年生ながら主力として活躍している。7月のクラブユース選手権で得点王。高校年代最高峰のプレミアリーグWESTでも、17試合12得点を記録し、9月には初めて世代別代表に選出された。プロ野球・中日で外野手として活躍し、今季まで中日で1軍外野守備走塁コーチを務めた大西崇之さん(53)の次男としても注目されるが、将来の夢へ向け、自覚を口にした。 10月13日に行われたプレミアリーグWESTの米子北戦。前半14分、大西は中盤でボールを奪うと、相手DFの追走から逃げるようにドリブル突破。右サイドからシュートした。貴重な先制点を生み、チームは2―1で勝利した。 俊足は父譲り。「幼稚園の時から速い方だったので、運動会で何人か抜かして、キャーキャー言われていたのは覚えている」とはにかむ。練習での最高時速は33・4キロと、トップチームのFWユンカー並だ。 さらに、FWとしての武器は得点感覚だ。「良いところにボールが転がってくる。ポジション取りなのか、嗅覚なのか分からないけど、そういう得点パターンが多い」と自己分析。抜けだし、こぼれ球への詰め。クラブでは1トップで得点を量産する。 意外にも、父からは「ゴール決めたりすると、結構連絡してくれる」という程度で、プレーへのアドバイスはない。むしろ、母でプロゴルファーの坂上晴美さんから「お風呂上がりストレッチしなよとか。ちゃんと冷やしたの?とか言ってもらえる」という。 今夏は、クラブがパートーナーシップを結ぶイタリアの名門・ローマに2週間派遣された。帰国後、初招集された世代別代表活動では、全3試合に2トップの一角として出場し、U―17米国代表から1得点。「点を取る部分では自信を持てたが、それ以外の課題である足元の技術だや、味方とのコミュニケーションはまだまだ全然足りないなと思った」と大きな経験となった。 注目を浴びるにつれ、芽生えたことがある。「もちろん、お父さんにすごく感謝しているけど、自分のプレーで、多くの人を魅了して、名前をとどろかせたい」という自覚だ。どうしてもついて回ってくる父・崇之さんの名前。「ネットに自分の名前が載ることが多くなったので、より一層感じた」。大西ジュニアではなく、大西利都として注目されたい―。恐縮したような、内気な17歳の口調に、力がこもった。 視界が大きく開けた今季。「代表は、1回行っただけじゃもちろんダメだと思う。結果を残し続けて、これからも呼ばれ続けられるようにしていきたい」。殻を破るべく、もがき続ける。 ▼大西利都(おおにし・りつ) 2007年5月29日生まれ、名古屋市名東区出身の17歳。179センチ、73キロ。小学生年代ではイーストールでプレーし、中学生でグランパスU―15入り。U―18に昇格した昨季は、手のけがで長期離脱。Bチームが戦うプリンスリーグ東海で3得点だった。東海学園高に在学。
中日スポーツ