首位突破を占うイラク戦、先発が有力視される上田綺世に期待。2列目と良い距離感を保ち、敵のギャップを突く動きが必要だ【アジア杯】
指揮官の信頼感も高まっているはず
一時はベトナムにリードされるという苦しい展開を跳ね除け、アジアカップ初戦は4-2で勝利し、白星発進した日本代表。だが、本当の戦いはここから。次なる敵は19日に対戦するイラクだ。 【アジア杯PHOTO】ベトナム戦から一夜明けた日本代表選手たちの表情 イラクとは2014年ブラジル、2018年ロシアの両ワールドカップのアジア最終予選で同組だった。前者ではホームとアウェー(中立地)ともに1-0で勝利。後者でのホームゲームは、山口蛍(神戸)の劇的ロスタイム弾で2-1と何とか勝ち切ったが、アウェーでは1-1のドロー。簡単な戦いになったことは皆無に近い難敵と言っていいだろう。 今大会のイラクは日本より1日遅れの15日にインドネシアと初戦で激突。球際や寄せの激しさ、個々のタフさ、粘り強さが大いに光った。 内容面でも相手を圧倒し、終わってみれば3-1の勝利。最前線のFWモハメド・アリ、19歳の若き左ウイング、アリ・ジャシムらのスピードは日本にとって非常に脅威になりそうだ。 基本布陣は4-2-3-1で、DF陣は185センチ超えの大柄で屈強なセンターバックが中央に並んでいる。これは日本のFW陣にとっては厄介だが、比較的ハイラインを取ってくるところは狙い目だ。 今回の日本には、上田綺世(フェイエノールト)、浅野拓磨(ボーフム)、前田大然(セルティック)と裏抜けが得意な選手が揃っている。ベトナム戦では伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)のようなスピードに長けた選手を有効活用しきれなかったが、次は保持するところと縦に出すところのメリハリをつけながら攻撃を組み立てられるはず。本来の力を出せば、必ず打開策は見出せるはずだ。 ボール保持率も日本が上回るだろうから、FW陣は確実に決めきる仕事を遂行することが肝心。そこで注目したいのが、ベトナム戦で後半のスタートからピッチに立ち、ダメ押しとなるチーム4点目を叩き出した上田だ。 久保建英(レアル・ソシエダ)が途中出場した終盤、日本の攻撃はもう一段階ギアが上がり、上田もそれに呼応。ペナルティエリア内で久保から横パスを受け、敵DFをドリブルで剥がし、右足を一閃。豪快な一撃で今大会初ゴールを奪ったのである。 「試合内容はまあ厳しいゲームでしたけど、最後に1つ取って終われたのは良かった点なのかなと思います。僕は常にシュートをイメージしたポジショニングをしてるつもりですし、タケがそれに合わせたプレーの選択をしてくれた。 やっぱり見てくれてるのは、自分が動く原動力になる。どんどん動きやすくなると思います」と、上田は久保との息の合ったプレーを前向きに捉えている様子だった。 そうやって理想に近いゴールを具現化した点取り屋に対し、森保一監督の信頼感も高まっているはず。グループステージで最強と目されるイラクとの試合では、彼をスタメン起用する可能性が大なのではないか。
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