「党勢を盛り返すのは難しい」…「100万票」減で総選挙最大の敗者は「公明党」 「石井代表」の“自信過剰”以外の敗因は?
“政治と宗教”問題
「創価学会と公明党が中国びいきなこともあるのでしょう。そもそも中国との国交回復は田中角栄首相の成果ではなく、池田大作名誉会長の提言により公明党議員が事前に訪中したことでなされたという教えがあります。池田名誉会長が昨年亡くなった時には、中国の習近平国家主席から岸田文雄首相宛てに弔電も届きました」 今回の衆院選での敗北について、石井代表は自民党の“政治と金”の問題が逆風になったと言っている。 「公明党の支持母体は創価学会ですから、基本的に世間の波風に影響を受ける政党ではありません。むしろ逆風は“政治と宗教”の問題のほうが大きいと思います」 安倍晋三元首相が銃撃されたことを機に、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と自民党との蜜月関係が問題となり、自民党は旧統一教会に選挙支援を求めないことを決めた。 「旧統一教会の場合、多額の献金や反日思想などの問題がありますが、そうした宗教団体が選挙支援を行うのはいかがなものかという“宗教不信”が広まっているように感じます。立正佼成会などもかつての勢いを失っていますし、創価学会だってこれまで何も問題がなかったわけではありません。宗教団体が信者を使って特定の政党を支援することに不信感が広がっているように思います」
後継者がいない
石井代表は辞任の意志を固めたと報じられているが、後任は誰になるのだろう。 「山口前代表のワンポイントリリーフというのが一番すんなり決まるでしょうが、本人がやりたがらないでしょうね。池田名誉会長が存命で、『やれ!』と言えば従うでしょうけど、そんな人はいませんから。そうなると後継者が見当たらないのです。衆議院議員の斉藤鉄夫氏(72)は党の内規にある定年69歳を超えていますし、問題視されている現在の国交相です。同じく政調会長の岡本三成氏(59)は人望がない。ホープと呼ばれた遠山清彦氏(55)は政治資金を飲食に使っていたことが報じられて衆議院議員を辞職。その後、貸金業法違反で起訴され、党からは除名処分を受けています。公明党の国会議員は年寄りか若手しかいないので、今後を託す中堅が育っていないのです」 公明党の今後はどうなるのか。 「正直言って創価学会の信者が減っているのですから、これから盛り返すことは難しいのではないでしょうか。そんな最中、自民党に対して『信頼関係は地に落ちた』とまで言い放った石井代表の見識は疑わざるを得ません」
デイリー新潮編集部
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