24年前…世界が止めていたら「ウクライナ戦争はなかった」 ロシアへの“無関心”を批判
■チェチェン人は2014年からウクライナと共闘
この前日に行ったNNNとの単独インタビューでシェリプ氏は、亡命政府の戦闘部隊がウクライナ国防省との正式な契約のもと、ともにロシアに対して戦っていると説明した。また、亡命政府に直接は所属していない別のチェチェン人の義勇兵部隊も存在し、2014年からウクライナ東部ドンバス地方でウクライナ側にたち親露派と戦闘を行ってきたという。 第2次チェチェン紛争勃発から20年以上が経ち、ヨーロッパなどに脱出した独立派のチェチェン人も世代交代が進んでいるが、彼らがウクライナを助ける理由の一つには、ロシアを敗北させることがチェチェン独立につながると信じていることがある。 「チェチェン・イチケリア共和国」“外相”イナル・シェリプ 「我々は自由のために戦っています。これは世代を超えて引き継がれる伝統のようなものです。ウクライナ戦争はチェチェン人が自由を得るための機会であり、我々はこのチャンスを使おうとしています」 「もしウクライナが勝利すれば、ロシアは変わらなければなりません。帝国から民主国家へ転換することが必要であると理解する(政権を担う)新たな人々が出てくるでしょう」 また、シェリプ氏によると、チェチェン内部の街や村に独立派の地下組織が存在し、毎月オンライン会議を開催するなど、緊密にコミュニケーションをとっているという。 シェリプ氏は、日本とチェチェンは「領土をロシアに占領されている」という共通点があると繰り返し、「いま、こうした土地の占領を終わらせる非常にいいチャンスがきている」と強調した。日本とチェチェンの双方を「ロシアの隣国」と位置づけ、領土問題の解決に向け日本側に連携を呼びかけた。
■9時間半で約50人が登場した「2日目」
会合の翌日、都内の貸し会議室に場所を変えて「2日目」が行われた。前日からの参加者に加え、世界各地から少数民族の独立派やロシア研究者などがオンラインで参加し、代わる代わるプレゼンテーションを行った。午前10時から午後7時半までの9時間半、間に20分ほどの休憩を挟んだ以外はほぼノンストップでおよそ50人が話すという濃密なスケジュールで、参加者が用意したスライドの文字が会場のプロジェクターではつぶれて読めないなど、運営方法にやや準備不足を感じる場面もあった。 中国の四川省や東北部の分離独立を求める人々など、ロシアにとどまらない幅広い参加者も加わって、その多くがロシア(そして中国)の「分裂」を主張した。ここでも、ポノマリョフ氏の考えの特異さが目立った。彼らのいう「プーチン政権崩壊」が仮に現実となったとしても、いまは反プーチンで結束するこれらの勢力が協力して歩むことができるかは大きな課題だろう。 次回の会合はイギリス・ロンドンとフランス・パリで9月下旬にも開催予定だ。