小中学生に「携帯電話持たせないで」はもう古い?スマホ所持率半数超え、2008年の提言見直し
新潟県の妙高市教育委員会は、市内の小中学生に原則、携帯電話を持たせないよう保護者に求めた2008年の提言を見直す。当時インターネット上のいじめやトラブルが社会問題化し、市教委などが提言したが、16年が経過し、市内の中学生の半数以上がスマートフォンを持っている現状を踏まえ、25年末にも新たな方針をまとめる。 【地図】妙高市の位置はこちら 提言は市教委、校長会、PTA連合会による検討委員会がまとめた。内容は(1)妙高市の小中学生に原則携帯電話を持たせない(2)携帯電話とインターネットの利便性に潜む危険性、保護者の責任、モラルについて、全市を挙げ指導・啓発に取り組む-の2点。強制力はないが、当時の保護者アンケートでは内容に「賛成」は94%に上った。 携帯電話はいわゆる「ガラケー」に代わり多機能化したスマホが普及。外出時の安否確認などのため、子どもにスマホを持たせている家庭も多い。市教委は時代に即した提言に改めようと、7月から市内の全保護者を対象にアンケートを行った。 その結果、市内中学生のスマホ所持率は53・5%だった。17年調査の14・2%から大幅に上昇。中学生の交流サイト(SNS)やインターネットの休日の利用時間は、「4時間以上」が最多の26・9%を占めた。 10月末に見直しの検討会があり、校長会、PTA連合会が出席。「提言も現実に合わせた方がいい」「行政が定めた決まりを守らせる時代でない」など見直しに賛成する意見が多く上がった。一方で「学校現場ではスマホ利用でSNSがらみのトラブルが起きている」「子どもの頃にスマホを使う怖さを知ることも必要だが、人を傷つけたり、犯罪につなげたりしてはいけない」との声もあった。