深刻化する中国の肥満問題、当局が初の診断ガイドライン作成
[香港 22日 ロイター] - 中国国家衛生健康委員会(NHC)は、肥満の診断基準や治療方法に関する初めてのガイドラインをまとめた。中国では成人の半数以上がすでに太りすぎか肥満で、同委はこの割合が2030年までに人口の65.3%に達する可能性があると警告した。 17日に公表されたガイドラインは「肥満は中国における主要な公衆衛生問題となっており、死亡や障害の6番目のリスク要因となっている」と指摘した。 中国では技術革新が進み経済が近代化する中で、仕事がデスクワーク中心になり、単調で体を動かさない業務が増えている。長期的な成長鈍化により、低価格で不健康な食生活を強いられていることも体重増加につながっている。 医療関係者や学識者らによると、都市部では仕事のストレスや長時間労働、不健康な食生活が大きなリスク要因となっている。農村部では農作業の肉体的負担が軽減される一方で、体重管理に関する検診や治療が不十分という。 ガイドラインの作成に関わった北京友誼病院のZhang Zhongtao副院長は、国営新華社通信に対し、肥満に対する栄養指導、外科治療、行動・心理的サポート、運動プログラムなどの指針を規定していると説明した。