井上尚弥（左）と中谷潤人

　ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（31＝大橋）と、WBCバンタム級王者・中谷潤人（26＝M・T）のドリームマッチ実現への期待が高まる中、専門家による予想も熱を帯びている。 【写真】先日のWBC世界戦で、衝撃的なKO劇を見せた中谷潤人 　元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪氏は、自身が代表を務める「Treasure　Boxing　Promotion」のユーチューブチャンネルで注目対決について言及。「今の時点だとまだ全然、井上尚弥だと思う」と断言した。 　中谷については「潤人もすごい強い。（井上を倒す）可能性があるとしたら潤人」と実力を高く評価しながらも「中谷潤人はスーパーバンタム級で調整試合を挟めない。井上尚弥もそう。これだけの選手になってくると、調整試合ってなくなる。俺は結構大変だと思っていて。自分がライト級でやっていた時も、減量がちょっと楽になるし、体つきも良くなるけど、なんかブレがある。ちょっとの差なんだけど、絶対あるから。もう井上尚弥は、だいぶスーパーバンタムになじんでる」と指摘する。 　さらに「井上尚弥は普段の体重が63、64キロある。結構ガッチリして、マッチョ。そういう意味で、スーパーバンタムですごいフィットしている。潤人は今、ハイペースで上げてきている。ちょっと前までフライでやっていたんだよ。そこのアドバンテージも井上尚弥にあると思う」と解説した。 　その上で「あと、この時期にもうやっちゃわなきゃいけないという…。潤人の評価が上がりすぎちゃった。本当は井上尚弥が34歳とかになった時にフェザーぐらいで当たったら潤人のチャンスだなと思ってたんだけど、ちょっと早い。まだ井上尚弥が万全。全部に対応されそうな気がする」「来年、もうやらざるを得ないでしょ。逆に井上尚弥のスーパーバンタム卒業の試合になるのでは」と指摘。井上に〝時の運〟も味方するとの見方を示した。 　最後に、伊藤氏は「現時点で見たら、井上尚弥のKO勝ち」と結論づけた。