米MMF、利下げでも期間長めのTB敬遠-短期金融市場が逆イールド
(ブルームバーグ): 米金融当局は先週、0.5ポイントの利下げに動いたが、マネー・マーケット・ファンド(MMF)は期間長めの米財務省証券(TB)購入に消極的だ。
米当局が利下げサイクルに乗り出す際に運用者は、投資家に還元できるように高めの利回り確保に向けTBイールドカーブの長期ゾーンにかけて購入する傾向がある。だが短期金融市場の利回り曲線はなお逆イールドにあり、期間短めのTBを保有すれば長めのTBより高い利回りが得られるため、後者への資金移動は抑制されている。
さまざまな市場で現在織り込まれつつあるペースほど急速でないにしても、利下げを想定してきた短期金融市場にとって厳しい環境となっている。テレサ・ホー氏らJPモルガン・チェースのストラテジストは20日の顧客向けリポートで「緩和サイクルがどう展開されるかが不透明なほか、逆イールド」も続いていると指摘した。
期間1カ月と1年のTB利回り格差は約82ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)のマイナス、期間3カ月と2年の格差は106bpのマイナス。こうした逆イールドに伴い、MMF資産の加重平均満期(WAM)は短縮化されている。
ホー氏は「なお深い逆イールドが、流動性投資家がデュレーションを追加する意欲の壁になっている」とホー氏は説明した。
JPモルガンによると、TBの主な買い手であるガバメントMMFは、31-60日以内に満期を迎えるTBの保有残高を8月に2260億ドル(約32兆4500億円)増やした一方、60日超のTBを530億ドル減らした。
原題:Money Markets Shy Away from Longer-Term T-Bills Despite Rate Cut(抜粋)
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Alex Harris