TikTokトレンド大賞の「ストリートスナップ」誕生の理由は? 張本人のアノニマスに聞く
1年を通して活躍したTikTokクリエイターを表彰する『TikTokトレンド大賞2023』の授賞式が、都内・虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内の「TOKYO NODE HALL」で開催された。 【写真】アノニマスの撮り下ろしカット TikTokトレンド大賞は、TikTokで2023年に流行ったハッシュタグや音楽、グルメ、ヒットアイテム、スポーツ、エンタメなどをノミネートし、今年の動画投稿数、再生数、いいね数やその他アプリ内のデータなどを基に総合的に判断し、2023年で最も流行ったトレンドを決定する企画。 『TikTokトレンド大賞2023』の大賞「ストリートスナップ」が選出され、その流行を生んだアノニマスがトロフィーを受け取った。「ストリートスナップ」は街行く人々に声をかけて写真を撮影する、というトレンドだ。この総視聴数は12月時点で13.3億回超えとなっている。 人々のありのままの姿を切り取るスタイルで、旋風を巻き起こしたアノニマス。『TikTokトレンド大賞2023』の大賞受賞後の感想、2024年に向けての抱負を聞いた。 ・「普通の大学生」から一年足らずでTikTokの最大トレンドに ――『TikTokトレンド大賞2023』の大賞、おめでとうございます。受賞の感想をお聞かせください。 アノニマス:ストリートスナップを始めて1年経たずで、ここまでこれたのが夢のようです。昨年のいまごろは普通の大学生だったので、本当に人生が変わりましたね。 ――サクセスストーリーですね。毎日投稿を続けられてきた結果が実を結んだように思います。毎日投稿を続けられた秘訣はあるのでしょうか? アノニマス:元々ストリートスナップを始める前から、絶対バズるなという確信があったんです。そこから毎日投稿しだしたんですけど、1本目の動画からバズったこともあり、1か月くらいで習慣化された感じでしたね。 ――確信があったんですね。改めて、アカウント開設の経緯を教えてください。 アノニマス:元々はYouTubeをやろうと思っていました。でも長尺動画はできないなと思って、ショート動画に切り替えてTikTokを始めたんです。 ――YouTube ショートではなく、TikTokを選ばれたんですね。 アノニマス:そうですね。TikTokは始めたてのクリエイターもユーザーが見つかりやすい仕様になっている。さらに、1本1本の動画にすぐに反応があるので、改善点がどんどん見つけられるんです。だから、TikTokを選びました。 ――最近ではインフルエンサーや著名人とのコラボも増えてきたと思います。普段コラボ撮影をする際に気をつけていることがあれば教えてください。 アノニマス:コラボのときは、綿密に打ち合わせをしてネタを作るという感じではなく、アドリブでやっているんです。だからこそ自然に会話ができているのかなと思います。 ――動画を拝見していて、ドキュメンタリー的な要素を感じたのですが、それはアドリブだからだったんですね。いきなり声をかけてストリートスナップを撮るといった動画のスタイルはどういった経緯で生まれたのでしょう? アノニマス:コンテンツ自体は海外から見つけたんですけど、一般人のリアルを見せるのが視聴者の求めていることだと感じたので、このやり方にしました。自分の琴線に触れたり、目立っていたりしている方にお声がけしていくといった感じです。基本的には自分の勘を頼りにしています。 ――カメラ自体はTikTokを撮られる前から趣味としてやられていたんですか? アノニマス:いえ、TikTokを始めた日に買いました。TikTokのためにカメラを始めたみたいな感じですね。 ――今日受賞したことを昨年のアノニマスさんに伝えたら本当に驚くでしょうね。 アノニマス:たしかに。去年はまだカメラを始めてもいないですからね。 ・ストリートスナップのこれまでと今後 ――この1年活動をしてきたなかで、ターニングポイントやバズの手ごたえを感じた瞬間などはありましたか? アノニマス:そういうのはあまりないですね。バズるという確信があったので、最初の動画からずっとバズっているんです。ストリートスナップを始める前に投稿していた動画もバズりましたし。ストリートスナップのような、同じことをやっても飽きられないコンテンツをずっと探していたんです。1本バズったらずっと続けていけばいいと思っていますし、逆にバズってなかったらもうやめているだろうなと思います。 ――逆にバズらなかったコンテンツとは? アノニマス:バズらなかったコンテンツではないんですが、お金がないふりをして、声をかけた人に「お金を貸してください」と伝える。貸してくれた人にはお金を返してから、「実はSNSでこういった活動をしています」とネタバラシをする。ストリートスナップを始める前は、こういった一般の方に協力してもらうコンテンツで、100万回再生を出していた時期もあったんです。ただ、これは人を騙しているなと感じて。それでなにか新しく始めようと考えた結果が、ストリートスナップでした。カメラを使うように変えただけで、突発的に一般の方に協力を願うコンテンツという中身はあまり変わっていませんね。 ――TikTokや動画プラットフォームは移り変わりの激しい世界でもありますが、今後どんな投稿をしていきたいと考えていますか? アノニマス:日本人に人気なものはもちろん、海外に向けての動画もどんどん作っていきたいと思っています。 ――海外に向けた発信をするための構想も既に考えているのでしょうか? アノニマス:それこそ京都や渋谷のスクランブル交差点で撮影することで、日本らしさを出そうかなと。海外の方が知っているような、海外にはない街並みを映していけたらいいなと考えています。
丹治健太、村上麗奈