【独自解説】“裏金疑惑”キックバック問題 安倍派に続き岸田派・二階派でも…揺れる自民党 「これからは政治の“DX”進めなければ」元衆院議員・佐藤ゆかり氏が解説
「政治にはお金がかかる」政治資金パーティーの実態…今後どうすべきか?
佐藤氏が国会議員時代、「政治資金パーティー(コロナ禍)」は一年間に個人2回・派閥1回・大阪府連1回の計4回程度あり、100枚200万円のノルマがあったといいます。キックバックについて佐藤氏は、「キックバックを受けていたかと思われる。私の事務所では、収入として収支報告書に記載している。記載すべきものなので、当然皆さん記載していると思ったが、記載していない人は裏金疑惑と言われても仕方がない」としています。
佐藤氏は2005年、岐阜1区から出馬し初当選し、2014年に衆院選で大阪11区からくら替え出馬し当選。衆参合わせて4回当選し、環境副大臣などを務め、2023年7月に政界引退を表明しました。 Q.佐藤さんは岐阜で出て、それから大阪に来られて“がっちり地元で”というわけではなかったでしょうから、パーティー券を売るのは大変だったのではないですか? (佐藤氏) 「私の秘書が相当苦労して、それこそ靴底をすり減らして売り歩くということをやっていました。さきほど個人のパーティーが年に2回とありましたが、コロナ禍以前は年に4回やらないと回らないぐらい支出が多かったです。問題は、公職選挙法の“穴”です。公職選挙法は『お金をかけない選挙をしましょう』という理念の下できたものですが、実際は、お金持ちの議員がいれば、いくらでも人件費を出せて秘書を雇えるわけで、青天井です。例えば、秘書の総人件費に上限をかけるなどして公正な競争ができる環境、そのことによって収入の心配も減らしていくことが大切だと思います」
Q.政治家には給料・ボーナス・政党交付金があり、政治団体にお金が入って記載すれば税金がかからず翌年に繰り越しできて、パーティーで人を集められたらお金が入るということで、「政治にはお金がかかる」と言われても本当かな?と思ってしまうのですが、どうなのですか? (佐藤氏) 「政治活動には、莫大なお金がかかります。派閥はもとより、議員一人ひとりの個人からみると、収支は相当大変です。コロナ禍でパーティーができなかったときは収入がないので、借り入れをしたり、1000万円単位の自己資金で秘書給与を維持したり、大変でした。自民党の場合、秘書の数は各事務所に10人前後いますが、税金で賄われる公設秘書がわずか3人というのが日本の問題です。アメリカの場合、公設秘書は下院議員の場合16人ぐらい、上院議員だと40人ぐらい雇えます。この公費負担の違いは、政治資金の透明性の観点からいうと、そろそろ日本でも考えて、当然議員として襟を正さなければいけませんが、もう少し公費負担を増やすと。また、これからは政治の“DX(デジタルトランスフォーメーション)”も進めなければいけないと思います。10何人の秘書が地元を回ってという時代もありましたが、これからはインターネットを使って、有権者の方に丁寧に説明していくというアプローチに切り替えていく必要もあると思います」 (「情報ライブ ミヤネ屋」2023年12月12日放送)
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