エスティ ローダーは通期見通しを撤回して株価は20%下落 トップ人事と中国やトラベルリテールの不調を踏まえて
2025年度第1四半期の売上高の内訳
第1四半期の売上高の内訳は、「ラ・メール(LA MER)」と「エスティ ローダー」が2ケタ減となったことで、事業の大部分を占めるスキンケアの売上高が8%減少。「M・A・C」と「トゥー フェイスド(TOO FACED)」がけん引したメイクアップは、2%の減少にとどまった。フレグランスは、世界的なトラベルリテール事業の苦戦により1%減少したが、APAC地域とEMEA市場全体の成長により一部相殺された。その中で、「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」の売上高は、北米における小売店の軟調や、世界的なトラベルリテール事業の課題を反映して、1ケタ台後半の成長となった。ヘアケアの売上高は6%減少し、特に「アヴェダ(AVEDA)」は出荷のタイミングと北米のサロンチャネルの継続的な軟化の影響で苦戦を強いられた。総合証券会社・投資銀行スタイフェル(STIFEL)のマーク・アストラチャン(Mark Astrachan)=アナリストは、「カテゴリー別に見ると、ELCの売上高は全てのセグメントで減少しており、シェアの低下が広がっている。この業績と見通しの甘さは、次期経営陣が業績を改善するためにかなりの労力と時間が必要なことを示唆している。同社の株は低迷を極めるとみている」と話した。