VWはEV時代にエンジン全開の姿勢! マイチェンしたゴルフRとGTIを堂々展示【東京オートサロン2025】
EV時代だろうがSUV全盛時だろうが武闘派モデルは消さない!
すっかりSUVのイメージが強くなったVWだが、じつは自ブランドの武闘派銘柄を大事に飼い続けている。それが東ホール8に置かれた2台、マイナーチェンジされた「ゴルフR」のハッチバックとヴァリアントだ。 【写真】ドイツ車フリーク必見! 東京オートサロンのフォルクスワーゲンブースがアツいぞ!(全16枚) このマイチェン版が会心作であることを予感させるのは、ローエミッションだけを目的に作られているかのような近ごろの新車のなかでは、際立って勇ましい4本出しのマフラーのテールエンド。さすがに上に向かって角度は付いていないが、そう見えるようにか、かなり斜めにカットされている。 ほかにも、マイチェン版が前期型と大きく変わっているのは、外観とスペック。まずゴルフ8と共通気味で4灯ライト顔だったフロントマスクは一新され、初代ゴルフIをイメージしたという左右離れ目気味の2灯顔に改められた。丸目でこそないが、LEDライト内には下まつげのようなアイブラッシュが施され、イルミネーションで光るセンターのVWエンブレムとあわせ、レトロのようでそうはいわせないインパクト顔に仕上がっている。 またリヤエンドのルーフスポイラーがややダックテール気味に延長され、バンパーやベンチレーショングリルもよりシャープな雰囲気となった。 だが外観をさらに引き締めているのは、やはりホイールだ。19インチの大径にもかかわらず1本で8㎏というR専用デザインの軽量鍛造ホイール、「ヴァルメナウ」がオプション投入されているのだ。R専用デザインのメータークラスターや15インチの大型タッチディスプレイ、そしてナッパレザーの肉厚なスポーツシートと相まって、インテリアもゴージャス&スポーティな雰囲気に仕上がっている。 しかもエンジンスペックは、前期型では限定バージョンのみに許された333馬力・420Nm版へ、しれっとアップグレードされている。これが単なる数字合わせでなく、ゴルフRの凄味を感じさせるのは、なんとエンジンヘッドとタービンパイプが一体キャストされていることだ。運がよければ会場で、ボンネットを開けてエンジンカバーを外してもらうと、コイルの合間から何とか確認できる。 これは排気バルブ近くからタービンを回す排ガスを、最短経路でムダなく引き込むための工夫で、ターボのレスポンスが劇的に改善される。それによって、より大きなタービンを繋げてもベースエンジン側とトルク&パワー特性上の段差がつきにくくなり、結果的にフィールもアウトプットも向上しているのだ。 今やゴルフRは、ユーロ・ホットハッチそしてエクストリームなスポーツワゴンの希少な生き残りモデルとして、唯一無二の個性を醸し出し始めた。今年は日本へのゴルフ上陸から50周年だそうで、その魅力は再発見モードに入りつつあるのかもしれない。 再発見でもうひとつ見逃せないのはGTIも同様。鮮やかなタータンチェックのスポーツシートと内装にも視線を引かれるが、こちらもホイールに注目。これはゴルフ5時代のホイールのデザインをリテイク&再解釈したもので、まさしく"Y2Kスタイル"。やはりゴルフは、いつの時代もトレンドセッターなのだ。
南陽一浩
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