プロ野球でおなじみ「フェースガード」ヘルメット センバツで解禁
19日に開幕した第94回選抜高校野球大会(阪神甲子園球場)で、今大会から使用が認められた「顎(あご)ガード付きヘルメット(フェースガード)」が登場した。顔面への死球を防ぐためのもので、プロ野球ではおなじみだが、高校野球ではこれまで使用できなかった。日本高校野球連盟は「チームの実情に応じ、使用は柔軟に対応してほしい」としている。 【過去には小芝風花さんも】センバツ応援イメージキャラクター 「顎ガード付きヘルメット」は、打者のヘルメットの耳当て部分に頰の側面を覆う板状の部品を取り付けて使用する。プロ野球では巨人の丸佳浩、オリックスの吉田正尚らが着用している。 アマチュア野球では製品安全協会の安全認証「SGマーク」を受けたヘルメットの使用が義務づけられており、これまで「顎ガード付きヘルメット」は対象になっておらず、使えなかった。しかし、2021年にSG基準が改正されるなどして、今春のセンバツから使用が認められた。 3月上旬、兵庫県内での練習試合に出場した高知の三谷高慶(3年)は「顎ガード付きヘルメット」を着用した。三谷は昨秋の四国大会で顔面に死球を受け、顎の骨を骨折。その経験から「顎ガード付きヘルメット」を着けるようになったという。三谷は「(死球後は)内角に来ると、『うわっ』というのはあったが、今は(顎ガードを)付けているので内角を攻められても大丈夫。インコースの怖さが多少なくなるので、付けた方がいい」と強調する。 浦和学院(埼玉)も積極的に採用しており、森大監督は「顎ガード付きヘルメットと同時に(歯を守る)マウスガードも(希望者には)着けさせている。けが防止の意味では大事なこと」と話す。 スポーツメーカー大手のミズノによると、今大会の出場32校中13校にヘルメットを納品しているが、9校に「顎ガード付きヘルメット」を納品したという。 20年に酷暑対策の白スパイクが解禁され、投手の「1週間500球以内」の球数制限も実施された。今大会からは降雨などで試合が途中で打ち切りとなった場合、翌日以降に引き続いて試合を行う「継続試合」が導入された。時代の変化や実情に応じ、高校野球界も少しずつ変革している。【大東祐紀】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。