公明党が敗訴 「セクハラ口止め」週刊新潮の報道めぐり 東京地裁
公明党の熊野正士・元参院議員がセクハラ行為をした女性に党幹部が「口止め」をしたとする「週刊新潮」の記事で名誉を傷つけられたとして、党と熊野氏が週刊新潮を発行する「新潮社」などに損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟で、東京地裁(本多智子裁判長)は24日、請求を棄却する判決を言い渡した。 問題となったのは、2022年9月発売の週刊新潮の「『山口那津男代表』がセクハラ口封じ」と題した記事。公明党の山口氏が熊野氏のセクハラを把握しながら女性に口止めをしたと報じた。 判決は、熊野氏が女性の尻を触ったり、わいせつな内容の電話をかけたりした行為について「女性の意に反するものだった」として真実と認定。新潮記者が入手した女性と熊野氏や党関係者とのLINEのやりとりは、山口氏が「事実を公表すると選挙の議席数に悪影響が出る」と述べたとする記事の内容と整合し、新潮側が真実と信じた相当な理由があると判断した。 公明党の代理人弁護士は「判決は、法廷に提出された証拠の分析を十分に行うことなく、安易に週刊新潮サイドの言い分を認めたものであり、著しく不当」として、控訴する方針を示した。 週刊新潮編集部は「訴訟では、被害女性が証言に立ち、被害の詳細を訴えた。その主張が認められたことは当然だ。公明党は被害者に謝罪し、本件をきちんと総括すべきだ」とコメントした。(米田優人)
朝日新聞社