女子ブラインドサッカー・内田佳が伝えたい「余暇としても楽しめる」魅力。インド一人旅で変わった競技への思い
小学生や子どものカテゴリーを作って試合ができる場を増やしたい
――さまざまな形で競技に携わっていますが、いずれは指導者も視野に入れているのですか? 内田:今は指導者は考えていないです。選手として、続けられる限りは続けていきたいですし、最近はブラインドサッカーの啓蒙活動を続けているので、引退しても、啓蒙活動は絶対に続けていきたいと考えています。 ――スポーツの枠にとどまらず、女性が好きなことを続けるためにはどのような変化が必要だと思いますか? 内田:周りのサポートと、自分自身の努力が必要だと思います。「女性がスポーツを続けにくい」というバイアスを薄くすることも必要だと思います。子どもや親目線では、生活や将来に活きる気づきがあることや、身近に気軽に遊びに行ける環境が増えるといいですね。 ――より多くの人がブラインドサッカーを楽しめるように、環境面ではどんなことがあるといいと感じますか? 内田:気軽にプレーできる環境を整えたり、ルールを整備することです。ブラインドサッカーの公式戦は中学生以上からしか出場することができないのですが、小学生とか、子どものカテゴリーを作っても面白いんじゃないかなと個人的には思います。中学生の中にも「大人たちに混じって試合をするのがちょっと怖い」という子がいますし、今は各地で小学生たち向けのブラインドサッカー体験会をやっていて、見えている子も見えていない子でも「もっと試合をやってみたい」という子がいるので、カテゴリーが増えればさらに競技の魅力が広まると思います。私自身も自分のことをもっと発信して、みんなの「始めたい」「続けたい」のきっかけ作りをしたいですね。 ――小さい頃に試合で得た成功体験や記憶があれば、続ける原動力にもなりそうですね。もし他のスポーツを体験する機会があったら、内田選手はどんな競技にチャレンジしてみたいですか? 内田:ダンスを踊ってみたいですね。歌やダンスなどの音楽系が苦手なのですが、踊っているのを見るとかっこいいなぁ!と思います。自分の新しい一面を見つけたいと思っているので、機会があれば挑戦してみたいですね。あと、マリンスポーツもやってみたいです。 <了>
[PROFILE] 内田佳(うちだ・けい) 1991年11月2日生まれ。ブラインドサッカー選手。アルビニズムで先天性弱視の障がいを持つ。ブラインドサッカー選手としてプレーするかたわら、NPO法人日本ブラインドサッカー協会や、一般企業で秘書として勤務。その後、世界一周旅行をし、2021年から再び協会勤務に復帰。東京都世田谷区にあるブラインドサッカーチーム「スフィーダ世田谷BFC」でプレー。フィールドプレーヤーだけでなく、センターガイドやチームマネージャーもこなしている。
インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]