【JBCクラシック展望】前哨戦で強豪を撃破したウィリアムバローズなどJRA勢は強力なラインアップ
[JpnI・JBCクラシック=2024年11月4日(月曜)3歳上、佐賀競馬場・ダート2000メートル] 秋のダート王道路線を形成するビッグタイトルの3連戦が幕を開ける。このJBCクラシックからチャンピオンズC、東京大賞典へと続く一連の戦いは、見応えあふれる力勝負の連続。今年は実績ある3頭が〝本家〟というべき米GⅠブリーダーズCクラシックに遠征し、昨年の覇者キングズソードも直前に脚部不安で断念したことで混戦ムードが漂う。 勝利への最短距離にいるのは、前哨戦の日本テレビ盃を制したウィリアムバローズ(牡6・上村)だ。前走は果敢にハナを切り、ドバイワールドC覇者のウシュバテソーロに1馬身差をつける大金星を挙げた。ここまで大事に使われてきたことが結実して本格化ムード。自分の形に持ち込むことができれば、2度目のJpnⅠ挑戦だが、明らかに距離が短かったかしわ記念(6着)とは違う結果が望めるはずだ。 実績面を見れば、JpnⅠを3勝しているメイショウハリオ(牡7・岡田)が断然。昨年のかしわ記念を制した内容を思えば、小回りの佐賀にも対応はできるだろう。ただ、今年はこの馬らしさがまだ見られていない。前走(日本テレビ盃3着)を叩いての上積みがどれだけあるかがカギになる。 ウィルソンテソーロ(牡5・小手川)は昨年のチャンピオンズCに始まり、東京大賞典、帝王賞と大一番で3度の銀メダルがある。前走の韓国GⅢコリアCはクラウンプライドに完敗の2着だったが、名古屋、盛岡、金沢でのダートグレードレース3連勝という実績があり、地方コースへの適性は高い。秋2戦目で悲願のタイトル獲得を目指す。 JRA馬4頭の中で、ただ一頭、佐賀コースを経験しているのがノットゥルノ(牡5・音無)。今年2月の佐賀記念を4馬身差で快勝した実績はキラリと光る。昨年のこのレースはキングズソードに完敗の2着だったが、適性のある舞台でリベンジを期す一戦だ。 これまで23回の歴史で、地方馬のVは2021年のミューチャリーしかない。登録段階で注目を集めた地方の実績馬は続々と回避。エース格はホッカイドウ競馬のシルトプレ(牡5・米川昇)になる。展開が向いたときの決め手は中央馬相手でも通用することは証明済み。流れ次第では分厚い壁を打ち崩すシーンがあっても不思議ではない。他では、金沢のイヌワシ賞で桁違いの圧勝劇を演じたヒロイックテイル(セン7・田中守=高知)が吉原寛人騎手とのコンビ継続で上位をうかがう。 アメリカから帰ってくる強豪たちを師走に迎え撃つのは、ここを勝った馬の役割。JRAと地方の精鋭による手に汗握る戦いが、今年も繰り広げられそうだ。
東スポ競馬編集部