任天堂、「パルワールド」のポケットペアに特許権侵害訴訟提起
(ブルームバーグ): 任天堂は、ゲームソフトの「パルワールド」が複数の特許権を侵害しているとして、開発会社のポケットペア(東京都品川区)に対して、侵害行為の差し止めや損害賠償を求めて東京地方裁判所に18日訴訟を提起したと発表した。
パルワールドは1月に発売され、「パル」と呼ばれるモンスターを捕獲し、戦わせたり、基地を作らせたりするゲーム。発売から1カ月で総プレーヤー数が2500万人を超えるなど、ゲーム史上最も速いペースで売れたタイトルの1つとなった。
ポケットペアは現時点で、訴状を受領しておらず、任天堂の主張や侵害したとする特許権の内容などについて確認できていないとした上で、パルワールドの運営や提供について中断・変更の予定は無いとした。訴状を受領次第、必要な対応をするという。
この件について東洋証券のアナリスト、安田秀樹氏は「著作権ではなく特許侵害で訴えたということは、任天堂もパルワールドのキャラクターがポケモンに似ているということで争うことは諦めたのだろう」と述べた。
その上で、「任天堂はゲームの開発手法やシステムに関し基本的な特許を数多く所有しているので、今回のように同社にとって好ましくないゲームは止める方法がいくらでもあるということを再確認させられたケースだ」と話した。
ポケットペアは7月、ソニー・ミュージックエンタテインメントなどと共に、パルワールドの国内外におけるライセンス事業を推進するため、合弁設立で合意していた。ソニー・ミュージックエンタテインメントの担当者は任天堂の提訴について、回答する立場に無いとの見解を示した。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Yuki Furukawa, Takashi Mochizuki