ソフトバンクの編成トップも思わず苦笑い「日本ハムさんがややこしかった…」 上位指名がことごとくかぶり…ドラフト会議総括
今秋のドラフト会議でソフトバンクは支配下6人、育成13人の計19人を指名した。1位は3度目の入札で最速153㌔右腕の村上泰斗投手(神戸弘陵高)の交渉権を獲得。1度目の入札は宗山塁内野手(明大、楽天1位)に5球団、2度目も柴田獅子投手(福岡大大濠高、日本ハム1位)に2球団が競合し、いずれも抽選で外した。5年ぶりに1位指名を事前公表せずに臨んだ今ドラフトの「戦略」と「手ごたえ」について、永井智浩編成育成本部長兼スカウト部部長(49)に総括してもらった。(聞き手・構成=西口憲一) ■元タレント夫人と腕組みハニカミ2ショット【和田毅秘蔵写真】 ◇ ◇ ◇ ―1位を事前に公表しなかった理由は? 「今年の超目玉は2人。宗山君と金丸夢斗君(関大、中日1位)が飛び抜けていた。(最初に広島)カープさんが宗山君を公表しましたが、うちが次にオープンにしても、他球団が降りるとは思えなかった」 ―宗山選手の1位を決めた時期は? 「10月の頭ですね。守りがしっかりしているので、計算が立つ。(同じ右投げ左打ちの遊撃手だった)鳥谷敬さんの大学(早大)時代と比較した場合、守備に関しては、捕るのもスローイングも宗山君の方がうまい」 ―競合で抽選を外した場合は、2度目以降の入札で指名する選手が焦点になる。 「うちは柴田君と村上君の評価が高かった。中村優斗君(愛知工大、ヤクルト1位)や西川史礁君(青学大、ロッテ1位)よりも上でした」 ―柴田投手は投手と野手の「二刀流」として評価していたのか? 「(1位で)単独でいけるなら柴田君で、という意見も出たほどでした。でも、日本ハムさんもうちと同じことを考えているような気がしました。二刀流をやらせたいということは、王球団会長と小久保監督にも説明しました。(現ドジャースの)大谷翔平選手みたいな育成プランを描いていました。バッティングもいいですよ。最初から守備や走塁をがっつりとやらせると体が壊れるので、まずは打撃をさせながら『投手』として育てていくというプランでした」 ―柴田投手とは相性の良さも感じた。 「初めて見た時、今年見た高校生の投手で一番良かった。彼が甲子園に出ていたら、大変なことになっていましたよ。結果論で言うと、柴田君は単独でいけていました。ただ、日本ハムさんが同じことを考えて、柴田君できた場合はショックが大きい。だったら、宗山君で勝負してもいいだろうと」