泡沫とは言わせない 知られざる都知事選“インディーズ候補”の思い
舛添要一前都知事の辞任に伴い、東京都知事選挙が7月14日に告示されました。31日の投開票日まで、17日間選挙戦がつづきます。今回、都知事選には史上最多の21人が立候補しています。しかし、テレビや新聞では、鳥越俊太郎候補・増田寛也候補・小池百合子候補(届け出順)の3候補ばかりが主要候補としてクローズアップされています。NHKは、そのほかに山口敏夫候補・中川暢三候補・上杉隆候補も取り上げていますが、主要3候補と比べると圧倒的に小さい扱いです。さらに、残りの15候補にいたっては、新聞でもテレビでも名前だけを紹介するのみです。そのため、候補者が掲げる政策を知る機会はありません。 東京都知事選では12人が没収 「供託金」は何のためにあるの? 一票を投じる有権者にとって、東京都知事選挙とは自分の思い描く都政を実現してくれる候補者を探し、信託することです。有権者にもっとも考え方や政策が近いのは、主要3候補とは限りません。ほかの候補者かもしれないのです。それだけに、報道機関は候補者の情報を少しでも多く有権者に提供する責務があります。しかし、新聞やテレビは勝ち目が薄い候補者であるということを理由に、“泡沫候補”と呼び、その政策をほとんど伝えません。 テレビや新聞から存在を無視された候補者たちですが、どうして彼らは選挙に立候補するのでしょうか? また、“泡沫候補”たちは、まったく意味のない存在なのでしょうか?
有権者に判断材料を インターネット番組で討論会
東京都知事選挙の告示日2日前となる7月12日、東京青年会議所は都知事選の立候補者を呼んで討論会を開催しました。東京青年会議所は、毎回の都知事選直前に討論会を主催し、候補者の政策を知る機会を設けています。しかし、今回の討論会に呼ばれたのは、わずか5人だけでした。会場のキャパシティや討論会の時間といった制約があり、全員を呼ぶことはできないといった事情はあるでしょう。それでも立候補者の4分の1にも満たない人数です。立候補者の政策を聞く機会がないことは、有権者の一票を投じる判断材料が少なくなることを意味します。それは、有権者にとっても不利益です。 有権者に少しでも判断材料を提供しよう。そんな試みから東京青年会議所の討論会に参加できなかった立候補者全員に参加を呼び掛けて、実現したのが「都知事選2.0」です。「都知事選2.0」はニコニコ動画が全面協力したインターネット番組で、東京青年会議所と同じルール・時間で立候補者に自身の政見を語ってもらうことが趣旨になっています。「2.0」は2軍という意味ではなく、青年会議所が主催した討論会よりも進化したものを目指すという思いが込められています。 「都知事選2.0」は主催者側から候補者を選別せず、立候補予定者全員に参加を呼びかけました。その結果、高橋尚吾候補・立花孝志候補・今尾貞夫候補・山口節生候補(告示日に立候補を取り止め)・河野なみ平候補(告示日に立候補を取り止め)の5人が討論会に参加したのです。