海外の児童福祉を発信 資生堂子ども財団がウェブマガジン創刊
資生堂子ども財団(塩島義浩理事長)は5日、海外の児童福祉に関するウェブマガジン「世界の子ども福祉~実践と未来」を立ち上げた。1970年代から発行していた情報誌の後継となるもの。初回は「アドボカシーと子どもの権利」をテーマに4カ国の状況を取り上げている。 同財団は、資生堂が創業100周年事業として72年に設立した。これまで、20カ国で児童養護施設や乳児院などの職員を対象にした海外研修を実施しており、730人以上が参加している。 同時に2022年まで92号にわたり、児童福祉に関する情報誌「世界の児童と母性」を発行。時代に合わせたテーマを設定し、国内外の情報を発信してきた。 休刊後も、復活を望む声が多かったことなどから、同財団は後継となるウェブマガジンを開始することを決めた。同財団のウェブサイト上に専用ページを作り、定期的に更新するという。 初回はこどもの意見の代弁を意味する「アドボカシー」をテーマに取り上げた。今年4月施行の改正児童福祉法では、施設への措置の際などにこどもの意見を聞く仕組みを制度化するなど、こどもの権利擁護は今もっとも関心の高いテーマの一つだ。 全体を監修した子どもの虹情報研修センターの川﨑二三彦センター長は、こどもの権利をめぐる国内の動きを解説している。また、岡山聖園子供の家の作田惇人氏はニュージーランドの状況を説明。埼玉県立大の大塚斉教授によるベルギーに関する報告もある。 同財団の塩見朋子事務局長は「ウェブ配信という特性を生かし、児童福祉に関わる多くの職員にも見てもらえれば」と話している。