中学3年女子生徒の提案で警察が動いた 北陸新幹線開業を巡り鋭い指摘、福井県あわら市
「人出が増えた北陸新幹線芦原温泉駅構内で、児童通学時に見守り活動をしてほしい―」。福井県あわら市内の中学3年の女子生徒が7月の「子ども議会」で提案した対策が実現された。3月の新幹線県内開業を受けて、不審者らが増える懸念があるとして、あわら署が協力することになった。9月上旬から署員による見守り活動が始まり、生徒は「児童が安心して登校できるようになり、とてもうれしい」と笑顔を見せた。 提案したのは牧野莉央さん。7月31日の子ども議会で、自身も使っていた芦原温泉駅構内の東西自由通路(市道)が金津小学校の通学路になっていることに触れ「新幹線が開通し、今まで以上に駅利用者が増えた。登下校の安全が確保されているとは思えない」と訴えた。 2018、19年に男女の児童に対して声かけ事案があったことも説明。見守り隊は毎日いるわけではないため「子どもたちが安全に登下校できているか不安。毎日見守り隊に駅構内を見守ってもらい、安心できる通学路をつくるべきだ」と提案した。 子ども議会を取り上げた福井新聞を読んだ同署駅前交番所長の手塚勝治警部補が、9月上旬から児童の登校時間に合わせて見守りを始めた。「普段も駅の見守りは行っているが、登校時間ではなかった。(活動を始めると)子どもらが元気にあいさつしてくれる」といい「今後も子どもたちを含め要望があったら、なるべく対応していきたい」と言う。 牧野さんは「子ども議会はとても緊張した。ほかにも、自分たち若い世代の声を聞いてくれる場所がほしいと思う」と話した。 市側は子ども議会で、牧野さんの提案に対して「PTA(週1回)や老人クラブ(週2回)の見守りのほか、防犯カメラも設置されている。見守り隊の配置が可能か協議したい」と答弁した。 市議会が初めて開いた子ども議会には金津、芦原中16人が参加し、子ども議長を除く15人が森之嗣市長らに芦原温泉駅周辺のにぎわいづくり、人口減やクマ対策などについて質問した。会議録は市会ホームページで紹介している。